- レスリー・メイヤー
- 東京創元社
- 924円
書評/ミステリ・サスペンス
「本が好き!」に登録しているので、申し込んで献本として頂いた。正直言ってあんまりそそられる本がないのでこのサイトには滅多にアクセスしないのだが、1年ほど前からバレエファンをやっているので、このラブリーな表紙に惹かれた。絶対バレリーナが出てくると思って。帯に「主婦探偵シリーズ」とあるのでシリーズものらしい。今回主人公は3人目の子供を妊娠している。
舞台はティンカーズコーヴというアメリカはメイン州の田舎町(架空の)。引退したバレリーナである老婦人の失踪から話は始まり、金物店の業突く張り店主の変死でストーリーが事件性を帯びる。ただしこの殺人事件には謎解きの面白さはない。いかにも怪しい孫息子に確固としたアリバイがあるので、逮捕された主人公の友人以外動機を持つ人間が見当たらず、あらどうするのかなーと思っている内に、先の老婦人の事件に焦点が移る。事件と言っても老婦人は自発的に失踪したのであって、、、。ああ、これでは完全にネタばれですね。家庭内暴力が絡んでくるのだが、あとは内緒。
でもこの小説の面白さは陳腐な筋立てにあるのではなく、主人公の食べっぷり(あとでわかるのだが彼女は双子を妊娠していたので、無理はない)とかバレエの発表会における少女たちの愛らしさとか(私も姪のバレエの発表会に何度か行っているので、痛いほどわかる)、あとは田舎町ののどかさとかかな〜。殺された店主の葬儀のあとの「お清め」パーティーが妙に豪華だったりして、おかしい。アメリカ的と言うとアレだけど、ラストで暴力的なシーンが出てくる以外は(ミステリなんだからこれは仕方ないでしょう)、とにかく最後まで楽しくするっと読めるお手軽本だ。疲れている時にお勧め(?)。
