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オルセー美術館展2010 「ポスト印象派」

国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展2010」に行った(8/16マデ)。「ポスト印象派」というのは結構多面的でわかりにくいけど、改装中のオルセー美術館の名画をごっそり115点も持ってきてくれる大盤振る舞いに素直に甘えて、黙って見に行けばそれでいい。絵画をみる悦びに思いきりひたれる。

素人の私があれこれ説明しても仕方ないので、色々知りたい方は「弐代目・青い日記帳」の渾身の記事をご覧になるとよいでしょう。先日2回目の鑑賞を果たしてきたのですが、なんとTakさんとご一緒させていただきました〜(自慢)。私は好きな画をぽちぽちと挙げておくだけにします。

第1章 1886年-最後の印象派

20100615_01《階段を上がる踊り子》エドガー・ドガ

バレエファンなのでドガは好き。この画は手前に描かれているコの横顔が可愛いし、構図に日本美術の影響が見られると言われるとなるほどと思えて更に好感度が上がる。

20100615_02《ルーアンのボワルデュー橋、夕日、霞のかかった天気》カミーユ・ピサロ

印象派の中では好きな画家。一時点描法にも手を出したというのが頷ける丁寧なタッチ、筆遣いに深い満足感をおぼえる。「わあ、高価なタペストリーみたい!」と感服した。私にとっては職人画家。

20100615_03《ラ・カルメンシータ》ジョン・シンガー・サージェント

素晴らしい肖像画。スペイン人バレリーナのモデルがいい。自信にあふれた表情、輝くような肌の色、豪華な舞台衣装。サージェントは印象派の手法を取り入れて成功したアカデミスム出身の画家。

第2章 スーラと新印象主義

点描の、肖像画はどうかと思う(《エクトール・フランス夫人》アンリ=エドモン・クロスとか)。装飾性の高さは買う。お気に入りは日本の紅葉を思い出させるようなこれ。綺麗〜

20100615_04《エルブレーに流れるセーヌ川》マクシミリアン・リュス

第3章 セザンヌとセザンヌ主義

セザンヌはやはり素晴らしいんだけど、ここでコレが出てくるのがいい流れ。

20100615_05《セザンヌ礼賛》モーリス・ドニ

セザンヌの画を囲んで、ルドン(左端)とナビ派の画家たち。ヴュイヤール、ヴォラール、ドニ、セリュジェ、ランソン、ルーセル、ボナール。ドニらしい、かっちりと装飾的な画。本展後半ではナビ派の作品が充実している。

第4章 トゥールーズ=ロートレック

ポスト印象派は世紀末パリに生まれた。この時代、ロートレックは外せない。

第5章 ゴッホとゴーギャン

ゴッホの絵具のツヤ・テリ感とゴーギャンの独特の色彩感覚が好き。ゴッホは鬱病ではあったけど意外と理論家で、画材の取り扱いに習熟し緻密に計算して厚塗りをしていたとどこかで読んだ。

20100615_06《星降る夜》ゴッホ

星と街灯。吸い込まれるような夜の風景。ゴッホはとにかく実物を見ないとね。

20100615_07《牛のいる風景(深い淵の上で)》ゴーギャン

風景画なんだけど抽象的。なところが印象的。この後に続く章で、ゴーギャンが後世の画家たちに与えた影響の大きさを意識させられた。

第6章 ポン=タヴェン派

平面的で装飾的な力強い画面構成と、豊かな精神性を宿した象徴主義的な志向は、ナビ派の登場にもつながりました。

ここが大事かと。

第7章 ナビ派

装飾的で平面的で精神性とデザイン性を感じる一派。特にドニの構図のセンスが只者でない。この画はどうしてもニョロニョロに見えちゃうんだけど...。

20100615_08《木々の中の行列(緑の木立》ドニ

第8章 内面への眼差し

引き続きナビ派。より多様。彼らに影響を与えたモローやシャヴァンヌ(《貧しき漁夫》)も。めっちゃ気に入ったのが第7章でも登場したヴァロットン。

20100615_09《夕食、ランプの光》フェリックス・ヴァロットン

心理劇っぽい緊張を孕んだ画。真ん中の子がカワイイんだけど、ヴァロットンの義理の娘とか(右手が妻、左手は義理の息子、黒い背中が本人)。ナビ派の画家たちは前衛演劇に深く関わっていたそうで、さらにヴァロットンは木版画が得意。舞台好き、版画好きな私のツボにはまるのは当然でしょう。

第9章 アンリ・ルソー

ここまで来るとすっかり疲れているし人気画家なので部屋が混んでるし、じっくり見たのは2回目の鑑賞時。ここにある2点を見るだけで本展に来た甲斐があると思う。ルソーのオリジナリティが傑出していることを、強烈に思い知らされる。よく世界観が素晴らしい、とか簡単に言うけど、ルソーのそれはあまりに確固として、近寄りがたい。

20100615_10《戦争》アンリ・ルソー

《蛇使いの女》にも圧倒されるが、より不安にかられるのはこっち。空の青までが禍々しいが、なぜか画全体から旺盛な生命力を感じる。ルソーは素朴派。

第10章 装飾の勝利

ナビ派の画家たちは、定期的に展覧会を開催して作品を発表しただけでなく、雑誌の挿絵やポスター、舞台芸術など、幅広い造形活動にかかわることで、芸術と生活を橋渡ししようと試みました。本章に出品されるボナールやヴュイヤールによる大型の作品は、注文を受けて制作された室内装飾画です。絵画と装飾にもまた、新たな関係が生み出されていることが分ります。

非常にまとまりのよいおさめ方だと思った。ずっと展示を見てきて、ポスト印象派とされるナビ派の装飾性が強く印象に残っていたので。

コメント (4)

あのドニはたしかにニョロニョロに見える。
わたしのiPhoneケースはヴァロットンの「ボール」なんだけど、
ナビ派のデザインがあのケースにしっくり来るのはなぜかしら。
「夕食、ランプの光」の女の子は草間弥生さんに見えてしょうがなかったわ。
この春の旅行ですっかりゴッホ贔屓になって帰って来ました。
ゴッホは画集やネットで見るのと、色も筆致も全然違うよね。
彼のエピソードなどと照らし合わせるとグッと来てしまいます。

ogawama:

>さちえサマ
トーベ・ヤンソンはドニにインスピレーションを受けたに違いないわ。
私はTakさんにスーラが自分で額縁にまで点描したと聞いて、「草間弥生〜」と言ってました。
名画の背景を知ってると、楽しいよね。
今さらながら、絵画史とか最近読んでます。

フェリックス・ヴァロットンという画家に興味を持ち始めています。
オルセー展の「夕食、ランプの光」の記憶がないので、もう一度見て来ようと思っています。

ogawama:

>一村雨さん
ヴァロットン、人気ですね。
あの時代の絵の中では新鮮味がありました。
彼の平面性はナチュラルに見えました。
オルセー再訪するなら夏休み前ですよね。
作戦練らないとー。

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