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美しき挑発 レンピッカ展 本能に生きた伝説の画家

Bunkamura ザ・ミュージアムで「美しき挑発 レンピッカ展」を観た。70年代に再評価されたアール・デコの画家ということだけど、デコは大好きだけど、メインビジュアルのこの画があまり好きではなくて・・・。絵画って言うよりイラスト。東郷青児のようなパターン化された作品を連想させる。

20100502_01 《緑の服の女》

しかし評判よいのですよね、この展覧会。web画像やチラシの印刷は画の良さを隠してしまうこともあるので、実物を見て判断しようと行ってきた。

これが。

すごい良かった。

この女性は相当自己顕示欲が強かったようで、会場に入っていきなり女優のように装った巨大な肖像写真が目に飛び込む。これが美しいのだ。ディートリッヒかグロリア・スワンソンか、というシックで自信にあふれた大人の女の着こなし。メイク。なるほど社交界で活躍していたような派手な人なら、ややアクの強い画風もそぐわなくはない。などと思って作品を見ていくと、きちんと絵具の美しさを活かした正統派の油彩。その大胆な造型には感銘を受けるけど、「イラスト」と呼べるような平坦な代物では決してない。活力があって美しい!

20100502_02 《はじめての聖体を拝領する少女》

娘のキゼットがモデル。「白の諧調」にとにかくうっとり。

20100502_03 《タデウシュ・ド・レンピッキの肖像》

キゼットのパパだけどこのあと離婚。レンピッカは同性愛に走りながらもこういう美男な夫を持っていたんだなあと、興味津々で眺める。この不穏な、妖しい雰囲気が堪らない。

20100502_04 《サン・モリッツ》

肖像画の中で一番好きなのがコレ。「その上品で気取りのないポーズは、まだ不安のない優雅な時代の証言となっている」と画商アラン・ブロンデル氏の言葉を引用したキャプションを読んで深く頷けた。レンピッカ自身が絶頂期にあり、一番自由だった時代か。

20100502_05 《カラーの花束》

強烈に好きな作品。花の画は数点あったけど(バラ、ユリ)、どれも毅然として美しい。画像ではわからない画全体の生命力に魂が吸い取られる感じすらする。こんな絵と暮らしたい。



1934年以降世界恐慌とか鬱病とかでレンピッカに長いスランプが。個展は失敗し、忘れられていく。肖像画の注文が途絶えて宗教的な絵を描いたり色々模索している様が、面白いと言えば面白い。しかしこの人は静物画を描いても、どこか装飾的でツヤツヤしている。パレットナイフを使った「テラコッタ様式」と呼ばれる一連の作品も、輪郭は曖昧ながら女性的でキレイな色調。後年の作品は印象が「小物」なんだけど、よく見ると個性的で美しい。彼女の美意識は終生高く、ただスポイルされて生きてきた人だから逆境(アーティストとしての)を前向きに泳ぎ切ることができなかったのかなあ、などと思った。

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