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パリ・オペラ座バレエ団「ジゼル」3/21

東京文化会館でパリ・オペラ座バレエ団来日公演最終日の「ジゼル」を観た。さすがオペラ座、極上の舞台だった。今年見たバレエの中ではレニングラード国立バレエの「バヤデルカ」が印象的で、それはあの「影の王国」のアラベスクによるところが大きいのだけど、「ジゼル」もやっぱりいい。2幕のウィリたち、暗くて顔はよく見えないけど、どのダンサーも体のラインがきれいで動きがエレガント。交差するアラベスクをはじめとする群舞のフォーメーションが隅々まで華麗だった。プログラムに書いてあったけど、オペラ座のダンサーの平均年齢って25歳くらいなんですってね。その若さが死霊となった乙女達の喪失感に生々しさを与えていたのか、凄みがあった。バレエの素晴らしさをひしひしと感じた。

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本日の主演はオレリー・デュポンとニコラ・ル・リッシュ。正直に言うとオレリーは好みのダンサーではなくて、ニコラ目当ての選択だった。でもスターってすごい。オレリーのジゼルはとにかく清楚で可憐で、目が離せなかった。美女パワーだなと微妙にひねた見方をしたりして。狂気に陥るシーンの演技はシンプルな感じ、元々素直でまっすぐな性格で、だからこそアルブレヒトの裏切りが信じられないというわかりやすい表現。ゲネプロで見たルテステュのような精密な性格設定をしていない風なところに、かえって好感を持った。いくらキレイでも2幕で感情移入できるかはちょっと心配だったけど、ウィリの衣装を美しく着こなしたオレリーは可憐なまま荘厳さもまとい、とても素敵なジゼルだった。ニコラのサポートが良いのでリフト時の浮遊感も十分。コール・ドの並み居る美女を前に「一番美しいダンサー」として、輝いていた。これがエトワールなんだな〜と実感。

Aurelie_Dupont オペラ座のサイトから、Aurélie Dupont

ニコラは今まで表情の乏しいダンサーだと思い込んでいて(そこがいい)、体の演技だけでなく表情豊かにアルブレヒトを演じているのを見て新鮮だった。古典ではきちんとお作法にのっとるのですな。髪もすっきり、王子キャラ。ジゼルが好きでたまらない様子とか隙を捉えてキスしようとする悪戯っぽいところとか、ミルタに目で「助けて」と懇願する必死さとか、語らずして雄弁。男らしい体型とか踊りの大きさ・優雅さが好きなんだけど、ルグリのような情感も表現できる人なんだと、見直した。デフィレではもう一番最後に出てくるのだそうで、マルティネス引退なんて噂を聞くと次はニコラかなあなんて、ちょっとさみしくなる。

Nicolas_Le_Riche オペラ座のサイトから、Nicolas Le Riche

舞台全体としてゴージャスでエレガントで、更に主演のふたりがその頂点に立って見事な演技をしてくれたので、満足度極めて高しの舞台だった。会場を出ても余韻覚めやらず、思わず出待ち。パリジェンヌっぽいジーンズ姿で出てきてにこやかにファンサービスしてくれたオレリーとジロ(彼女のミルタはDVDで見ていたけど、生はずっと素晴らしかった)は間近で見てもめちゃくちゃ素敵な女性で、惚れちゃった。フランスでは歴史的にバレエが重視されていてオペラ座のエトワールのスター性は極めて高いと聞いたけど、納得だ。いまだに興奮と幸福感が消えない。

「ジゼル」(全2幕)
 テオフィル・ゴーティエ、ジュル=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュの台本による
 1998年製作
音楽:アドルフ・アダン
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー(1841)
改訂振付:マリウス・プティパ(1887)
パトリス・バール、ユージン・ポリャコフ(1991)
装置:アレクサンドル・ブノワ
装置製作:シルヴァノ・マッティ
衣裳:アレクサンドル・ブノワ
衣裳製作:クローディ・ガスティーヌ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル
◆主な配役◆
ジゼル:オレリー・デュポン
アルブレヒト:ニコラ・ル・リッシュ
ヒラリオン:ジョシュア・オファルト
ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ
ベルタ、ジゼルの母:ヴィヴィアン・デクチュール
クールランド大公:ヤン・サイズ
バチルド姫:ベアトリス・マルテル
ペザント・パ・ド・ドゥ:メラニー・ユレル、エマニュエル・ティボー
ミルタ:マリ=アニエス・ジロー
ドゥ・ウィリ:マリ=ソレーヌ・ブレ、サラ=コーラ・ダヤノヴァ
◆上演時間◆
【第1幕】 13:30 - 14:25
【第2幕】 14:45 - 15:35

コメント (4)

ひゃ~~出待ちしたんですか?!いいなー。てか出待ちって手があったか・・と今気付きました^^;
(ルグリの時すればよかったーー)
で、オレリー。私も同じく最初「眠り」で観た時は綺麗だけど好みではないなと思って、次の「ドンキ」でおお??っと思って、先日のパナの振り付けの踊りで右肩上がりで好きになりました笑。
ほんとエトワールって、綺麗で上手いだけじゃなれないんですね~。
「ジゼル」はまだ観たことがないのですが(でも色々見聞きするうちにこの作品はちょっと大事に観ないと・・という気になってきたので)このオレリー版DVDになったらいいなあ。。

F :

出待ちお疲れさまでした(←まずそこかッ!)
いや素晴らしい舞台に触発されて思わず…が、正しい(笑)出待ちですから。

オペラ座全パスしたウチですが、一連のレポを読ませていただき
ああ一日だけでも安い席で見ておけば、との後悔が…
各カンパニーの頂点を極めるダンサーたちの中でも、エトワールの
風格は特別と感じています。
映像だけでしたが、プラテル、ゲラン、ルディエールなどの姿が
目に焼き付いて、それ以降はあまり目にしなくなってしまいました。
食わず嫌いはよくありませんね。

ogawama:

>みいこさん
出待ちは、はじめてではありませんっ
ロイヤル、ABT、BBL、、、
でもオレリーとジロほど、終演後のやつれた(?)姿でも綺麗なダンサーはいませんでした。
特にオレリーはニコラと共にパリでのプレミアを終えて、二泊三日の来日だったそうで、ボロボロのはずなのに・・・(涙)。
タフな女性って好きです。

ogawama:

>Fさん
その気はなかったのですが、いつの間にかフラフラと・・・
オペラ座のダンサーって、日本のファンを本当に大切にしてくれてると思いました。
ふたりとも一瞬たりとも不機嫌な表情など見せず、ひっきりなしに呼ばれて全然前に進めないのに、寒いのに疲れてるのに、ずっと笑顔でした(サイン書く時はマジメ顔)。
舞台を生で見るよさって、出演者と時間を共有する一体感・親密さが味わえるところですかね。
映像を較べれば過去のスターの方がイイと私も思うかもしれませんが、目の前でがんばってくれた姿には感激します。
ただし。
私は経験値が少ないので今回「シンデレラ」「ジゼル」両方見ましたが、これからはもっともっと絞って行くと思います。
去年に較べると、今年は全然チケット買っていません。
ハイビジョンやBlu-rayで十分だなあと思う気持ち、ありますもん。

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