静嘉堂文庫美術館で開催中の「曜変天目と付藻茄子―茶道具名品展―」に行った(3/22マデ)。古典・コンテンポラリーに関係なく美術品を見るのは好きだが(同じく舞台も)、静嘉堂文庫の茶道具は飛び切り美しい。なにしろ初訪なものだから、興奮しました〜。
曜変天目、および唐物茄子茶入の「付藻茄子」は、中国からの将来品である「唐物」のなかでも格別に扱われ、大切に伝えられてきた茶道具の至宝です。
本展は、この両作品に代表される静嘉堂の茶道具から、とくに由緒伝来の明らかなもの、造形的な美しさを兼ねそなえた名品を中心に、鑑賞の歴史、賞玩されてきた作品の風格と美を、ご紹介するものです。
黒釉茶碗の内面に、窯変によってあらわれた多数の斑紋が星のように輝く。これが神秘。現物を見ると想像より小ぶり。そして天目形(なり)という端正なフォルムと、すっと削られた高台がシャープ。きらきらモノが好きなので釉薬を拡大して眺めるといつも陶然としてしまうのだが、さらに斑紋のまわりの瑠璃色の光彩を追うことで、とてつもない眼福にひたれる。とても人の手の作ったものとは思えない。家光が春日局に下賜し稲葉家が秘蔵、巡りめぐって岩崎小彌太氏が入手。歴史と共に大切にされてきた至宝。残りの曜変天目茶碗は京都・大徳寺龍光院、大阪・藤田美術館にあるそうだが、大徳寺のは公開されないらしい。
びっくりです。大阪夏の陣で大きく損傷して回収された破片が当時の塗師により漆で繕われ復元されたそうだが、見た目全然わからない。X線写真を見てから現物を拡大観察しても、やっぱりわからない。陶器の肌合いそのもの。超絶技巧の職人がいたものだ・・・。
下のお盆に注目。小堀遠州が添わせたという宋代の堆黒(ついこく)魑龍菱盆(ちりゅうひしぼん)。堆黒は彫漆(ちょうしつ)の一種で、漆を塗り重ねて文様を彫る。堆朱もあり。お勉強した。中国から日本に伝来したが、非常に根気のいる作業なので鎌倉彫が生まれたとか?
とにかく美しいものが多かった。花入れひとつ取っても趣のある品で足が止まる。釜など興味なかったが、伝大西浄清《舟形釜》は珍しい舟形で斬新。根来の茶器の手擦れ具合がなんとも。仁清の《色絵吉野山図茶壺》は漆黒をバックに、夜桜が燃えるように紅い。そして曜変天目以外にも、美しいお茶碗が続々・・・。井戸茶碗の味わいは今までよくわからなかったのだが、枇杷色の《越後》は素直に綺麗だ!と思った。堅手茶碗《秋かぜ》は白磁に近い焼き成り、薄手の造りやほんのり水色の釉の硬質なイメージと大胆なゆがみによる有機的な風合いが相反せずに、不思議な雰囲気。玉子手茶碗《小倉山》は卵の殻のような釉肌と言うが、たしかに殻のように薄いけれど、「雨漏」の景色が紅葉に見立てられるとはなんて豊かな表情を持つこと。長次郎の黒樂《紙屋黒》はあたたかく、道入の赤樂《ソノハラ》は明るい。そして油滴天目の銀色に煌めく油滴斑は渋く華やか。曜変とは全く違った朝顔形で、内側だけでなく外側にも派手に斑紋が飛んでいるのが驚き。
お庭も素敵でした。




コメント (6)
こんばんは
この展覧会、にぎわってましたね~
曜変天目にはりつき、見込みに宇宙を感じましたよ。
個人的には朝顔形の油滴天目のキラキラがより好みなんですけど、本当に素晴らしいです。
ノンコウ、手に取りたかったですよ~
藤田の国宝曜変天目、3/6~出ますよ♪
あっ呟いておきましょう。
投稿者: 遊行七恵 | 2010年3月 4日 00:01
日時: 2010年3月 4日 00:01
一番上の茶碗がステキ〜。実物を見たら、さぞ吸い込まれそうな感覚になるのかしら。
・・・・曜変天目。
罰当たりかもしれませんが、「有閑倶楽部」を思い出してしまいます(汗)
投稿者: ともりん | 2010年3月 4日 17:59
日時: 2010年3月 4日 17:59
>遊行七恵さん
平日だったのに混んでました〜
私、ほんと光りモノに弱いです。
あんなお茶碗で本当にお茶をたてた人がいたのでしょうか。
藤田、6/13までなら十分にチャンスありです。
RTさせていただきました!
投稿者: ogawama | 2010年3月 4日 20:40
日時: 2010年3月 4日 20:40
>ともりんさん
画像がなくて載せられなかったけど、ほんと綺麗なお茶碗ばかりなんです。
もちろん曜変天目は際立って素晴らしいですよ〜。
土をこねて焼いただけの陶器があんな宝石のような妖しい輝きを持つなんて、世界は不思議。
有閑倶楽部のその話は読んでないです。
清四郎が割っちゃったってやつでしょ?(調べた)
しかし天下の名茶碗だって、いつかは土に還る日が来るのでしょうよ。
投稿者: ogawama | 2010年3月 4日 20:59
日時: 2010年3月 4日 20:59
こちらと藤田美術館には、出かけたので、
あとは大徳寺のみなんですが、見られる日は
来るのでしょうかねぇ~
投稿者: 一村雨 | 2010年3月 9日 04:48
日時: 2010年3月 9日 04:48
>一村雨さん
次は藤田を楽しみにしてます。
大徳寺、12月に紅葉を見に行ったのですが、あそこに眠っているんですね〜。
見せてくれないなら見なくていいもん、とかだだっ子のように思っていますが、やはり美しいものは見たいのが本音です。
投稿者: ogawama | 2010年3月 9日 21:43
日時: 2010年3月 9日 21:43