« 館蔵 茶道具取合せ展@五島美術館 | メイン | ブベニチェクとドレスデン国立歌劇場バレエ団の俊英たち 1/24 »

METライブビューイング「トゥーランドット」

正式にはThe Met ropolitan Opera HD LIVE MET LIVE VIEWING 2009-2010というが、東銀座の東劇でMETライブビューイング「トゥーランドット」を観た(1/22で上映終了)。

世界最高峰のオペラハウス、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)で行われている最新のオペラ公演が、世界各地の映画館へ配信され、お近くの映画館の巨大スクリーンで楽しめるという新しいエンターテインメント。全米とヨーロッパは現地と衛星同時中継!

ライブオペラといえばおととしはLivespire UKオペラ@シネマという企画でロイヤル・オペラ・ハウスで上演された「カルメン」を観た(感想)。この時は曲に対する予習は一切していかなかったけど、今回は違う。2週間ほど前から、短期集中で古い録音のCDを聴きこんでいた。もちろん全曲は無理なので、有名なアリアだけ。楽曲に耳が馴染んでいると、音を「追う」より「待つ」感じになって演技に集中しやすい。

Puccini: Turandot
Bonaldo Giaiotti
B000002SE0 ニルソン、コレッリ版

結局MET観賞後もこのCDを繰り返し聴いているので、歌声の印象は再上書きされてしまっているのだが、今でも豪華絢爛な舞台を見た充足感でいっぱい。

指揮:アンドリス・ネルソンス
演出:フランコ・ゼフィレッリ
出演:マリア・グレギーナ(トゥーランドット)、マリーナ・ポプラフスカヤ(リュー)、マルチェッロ・ジョルダーニ(カラフ)、サミュエル・レイミー(ティムール)他

演出のフランコ・ゼフィレッリは元ルキノ・ビスコンティの助監督で、近年はオペラの演出家として世界中で活躍しているという。新国立劇場の「アイーダ」も彼の演出とか。これは見たい。なにしろ、オペラはかくあるべしという期待を裏切らない、華やかで美麗な衣装や舞台装置で観客を魅了してくれる。私のお気に入りは2幕はじめのピン・ポン・パンの居室。エキゾチックな室内装飾が、細部にいたるまで美しく見事だった。宮殿の広場。面を被ったピン・ポン・パンの影武者のような3人組が、狂言回しとして踊りなどで活躍するのだが、皇帝に家臣に民衆と舞台に人が溢れかえっている中、彼らの赤をふんだんに使った派手な衣装が舞台のアクセントとなっていた。物量だけで迫ってくるのではなく、非常にアーティスティックな演出。

20100125_01 Franco Zeffirelli

それにしても、「トゥーランドット」って実によくできた物語だと思う。トゥーランドットとリューの両極端なキャラ作りが功を奏している。トゥーランドットが頑なであればあるほど事態が絶望的に思えて、リューの犠牲が必然的なものに思える。リューが献身的であればあるほど彼女の死が重く受け止められ、あのラストに納得できるのだ。観客心理をばっちりつかんだ、シェイクスピア並みの巧さ。

MET出演の歌手はさすがだった。まだオペラを聞き慣れていないのでそうとしか言えないんだけど。アメリカ...オペラ...で思い出したこの小説を再読することにした。


われらが歌う時 上
リチャード・パワーズ
4105058711

われらが歌う時 下
リチャード・パワーズ
410505872X

コメント (2)

ゼッフィレッリ演出は生では「アイーダ」しか見てないけど、そりゃぁゴウカケンランでしたよ。
なのでそれに負けない歌手の力量が必要になって来るし、観る側もパワーがいるんです。
最近のオペラって舞台がシンプルなものに取って代わりつつあるけど、ちょっとさみしい気もしますよね。
つい最近「椿姫」のヴィオレッタ役のソプラノが「役柄に似つかわしくない体型」ということでゼッフィレッリにクビを宣告され、アルフレード役も一緒に降りちゃった、というニュースを聞きました。
ゲイの芸術家って見た目にホントに厳しいよね。

ogawama:

>さちえサマ
いいなっゼフィレッリの「アイーダ」見たんだよね〜。
ヴィスコンティ好きなので、彼の映画にも興味が出てきました(ロミジュリは見たかな??)。
今はハイビジョンの時代だから、オペラ歌手もルックス重視になるのは仕方ないよね。
「カルメン」の時もビジュアル系の歌手が選ばれたって聞いたような気がする。
それにしても私の敬愛するアルモドゥバル監督(新作楽しみ〜)といい、ゲイのアーティストの感性は素晴らしいわね。

コメントを投稿

(コメントありがとうございます。表示は管理者の承認待ちにさせて頂いていますので、少しお待ちくださいね。)