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川喜多半泥子のすべて

松屋銀座8F催事場で開催中の「川喜多半泥子のすべて」展に行った(1/18マデ)。

半泥子の名は「名匠と名品の陶芸史」(黒田草臣氏著)という本で知った。荒川豊蔵から魯山人まで、明治〜大正〜昭和の近代陶芸の巨匠が13人紹介されている。貧しい中苦労して窯を築き奥さんが着物を質に入れて薪を手に入れ命がけで作陶・・・というストイックな生活を送った人が多く、陶工は修行者みたいなものだなあと思ったものだが、半泥子は毛色が違う。蔵に古陶がザクザクしているような大金持ちの家に生まれ実業家として銀行頭取など勤め、50歳過ぎてから本格的に作陶を開始。禅や茶の湯、古今の文芸に精通する「昭和の光悦」。光悦って、、、すごい誉め言葉だ。

名匠と名品の陶芸史 (講談社選書メチエ)
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半泥子はきっちりとした形状や、古陶の模倣は好まなかったそうだ。轆轤の名人ながら急所以外ではわざと気を抜いて、なんて言うかゆるく形を仕上げる。高台はなるべく削らない方が良いとか、土は単味がよいとか、自然体へのこだわりがある。ヒビ割れたら口縁に藁を巻いて焼いてみたり漆を流し込んで興を添えたり。自由人だ。よいものを知っていて、崩すことを知っている。造るものの種類も多彩で絵付けや染付け、磁器まで焼く。

焼きもの素人女子として気が惹かれるのはこういう色の綺麗なモノ。窯変によって現れたピンクと白。胴にあるのは指痕だそうだ。

DSC00082-small 粉引茶碗 銘「雪の曙」

磁器質の素地。高台側面や腰部のへこみは面取りの削り込み。

DSC00083-small 御所丸茶碗

どうやって作るのか不思議...。

DSC00085-small 片身替茶碗 銘「九華の里」

ふたつの窓。黒釉の「はね」を鈴虫に見立てて。金銀彩で秋草。地味華やか〜。

DSC00086-small 黒茶碗 銘「すず虫」

乾山ぽい。

DSC00087-small 粉引茶碗 銘「たつた川」

高台のところの削りとか微妙な色合いとか土の感じとか、いい。実物は見飽きない。

DSC00089-small 井戸手茶碗 銘「さみだれ」

写真ではダンディなおじさんだし、書画を見ると結構ひょうきんな半泥子。「こ、ここまで侘びるのか」というプリミティブな肌合いの茶碗もあったし、実に多彩な焼きものが見られた。わざとらしさ・いやらしさがない。数寄者という言葉は今ひとつぴんと来なかったものなのだけど、こういう才人の作品を見るとうなってしまう。

コメント (6)

遊行七恵:

こんにちは
随分前に神戸で「半泥子と魯山人」と言う展覧会がありまして、そのときに初めて半泥子の作品を見ました。
半泥子もそうですが、ときどき陶芸の世界には「以前は違う仕事してましたが」凄い作品を拵える人がいるなぁ、と感心します。
わたしは綺麗華美が好きなヒトなので、ワビサビはよくわからないんですが、眺める内に惹きこまれるのは、派手なものも枯れたものも関係ないな、と思ったりしてます。
週末に見に行くのですがとても楽しみです。
(魯山人も見るので、神戸の再現みたいなもんです、わたし的には)

あおひ-:

焼き物はあまり得意ではないのですが半泥子はかなり楽しかったです。
優れた感性が直感的に形に現われているなあと。
思うままに作れるのってすごいことですよね。

ogawama:

>遊行七恵さん
違う仕事をしていた人って、光悦あたりでしょうか。
もっと近代の方かしら。
半泥子みたいに何でも焼く人は珍しいと聞きました。
視点が専門家的ではないので、焼き物をよく知らない私のような者でも共感を持ち易いのかなと思ってます。
もちろん深さがまったく違いますけど...。

隠しコメントで誤字の指摘、ありがとうございました。
いつもやさしい遊行さん〜

ogawama:

>あおひーさん
すごいです。
ひとつひとつの作品に風格がありますよね。
とことん凝る方で、指紋がなくなるまで轆轤をまわしたってどこかに書いてあったような気がします。
でも「はう わい ゆー」(当て字は失念)みたいなシャレを見ると、にやっとしてしまいますけどね。

あべまつ:

こんばんは。

「波和遊」でした~

センガイ和尚の可愛いお茶目っ気が香っていて、
この人絶対センガイが好きだぞ!と確信したのでした。
それにしても
私、ぞっこんでした。魯山人のほうが趣味!と語っていましたが、
取り下げます。っていいたくなるくらい楽しめました。
趣味のいい人の多才で素敵な余生、
ずるすぎるって思ったのでした。笑
このあと、魯山人行ってみましたが、
あれはあれでかっこよかったのでした。

ogawama:

>あべまつさん
そうそう♪
言われなきゃわからん!ですよね。
画なんかもヘタウマと言うか天然と言うか、よく言えばセンガイテイスト。
絵付けも可愛かったし、人生を楽しんだ人、という印象を持ちました。
が、作品の多彩さに正直惑わされました。
そごう巡回の時に再訪して、もうちょっと見極めたいと思います(ムリ〜)。

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