東京国際フォーラムAホールでレニングラード国立バレエの公演「白鳥の湖」を観てきた。お正月三が日から生オケで生バレエを見られる幸せ。
オデット/オディール:オクサーナ・シェスタコワ
ジークフリート :アルチョム・プハチョフ
ロットバルト :ミハイル・ヴェンシコフ
王妃:ズヴェズダナ・マルチナ
家庭教師:アレクセイ・マラーホフ
パ・ド・トロワ:アナスタシア・ロマチェンコワ オリガ・ステパノワ アントン・プローム
※詳しいキャスト
ちょっと広過ぎるホールだけど、中央ブロックのまあ前の方の席で、まったりと。シェスタコワとプハチョフの白鳥は3年連続で見ております。バレエファン歴も3年目となると好きなダンサーやカンパニーがなんとなくできてくるけど、見始めた当初はとにかくやみくもにチケットを取っていた。白鳥は日本人受けする演目なので結構見ているけど、琴線に触れるオデットってなかなか出会えないもの。しかしシェスタコワのみせる成熟した女性の優しさには、ひとめぼれだった。
先々月に見たマリインスキーでは、若きスター、ソーモワと白鳥のコール・ドのダンサーと、たたずまいはあまり変わらなく見えた。マリインスキーのダンサーが余程優秀なのかもしれないが、しかしシェスタコワが登場すると、マールイのコール・ドが途端にぎこちなく見えてしまうのはなぜだろう。二の腕など私の好みからすると微妙に太めで、女性らしいと言えばそこに落ち着くけど彼女のプロポーションは決して理想的ではない(と思う)。プリマのオーラと言えばそれまで。いや違う。たゆみない努力が彼女を美しく見せているのだ。
ポワントで立った時の体の伸び。きっちり6時の開脚。印象的なアラベスク。ひとつひとつのポーズが美しく決まるのはもちろんだが、私が好きなのは一連のパが終わる直前の、スローな動き。最後の最後まで指先に神経を配って、とても優雅な軌跡を描く。音楽性の高い人なので、音に合わせて素速い動きを見せることもあるが、余裕の持てる時は極力丁寧にポーズを終息させる。訓練によって、全幕通してコントロールのきく強靭な体を保っているのだろう。しかし決してアスリートみたいなダンサーにはならない。それがシェスタコワの余裕。
グラン・フェッテなんかはダブルが最初の方で入ったくらいで今の一流ダンサーのレベルに較べるとやや見劣りがする。体が重いかなと感じる時もある。でも表情を含め情感あふれたシェスタコワの白鳥は、バレエを見る悦びを私に降りそそいでくれる。彼女のオデットはとてもたおやか。人間臭くはないけど、愛情深さやか弱さが見えてとても女らしい。オディールは陽性、悪い女にはなり切らない、本人の性格の良さを勝手に感じている。
ということで他には特にないのでシェスタコワ賛歌になってしまったけど、楽しい公演だった。トロワも良かったし民族舞踊も元気があった。プハチョフはイケてないしよく存在を忘れてしまうけど、ブリゼなんか教科書のように綺麗に決めてくれて実は信頼するダンサー。しかし3年連続同じキャストで同じ演目を見るというのもどうか。と考えなくもない。

コメント (2)
おはようございます。
私はご存知の通り鑑賞が非常に偏っていますから、ガラのみで
シェスタコワの全幕を見たことが無いのがもったいなく思えてきました。
訳も分からず観ていた頃は、なぜかペレンが多かったんです。
>全幕通してコントロールのきく強靭な体を保っているのだろう。
強靭な体という言葉と繊細な芸術は、対極のようにも思えますが、
それあっての丁寧なパなんでしょうね。
アスリートみたいなダンサーにはならない・・・というのにも納得です。
それにしても○○賛歌のレポを読むのは楽しいですな(笑)
私も懲りずに賛歌を連発したいと思います。
それが鑑賞を続ける大きな要因ですから。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿者: F | 2010年1月 5日 08:33
日時: 2010年1月 5日 08:33
>Fさん
う、Fさんにシェスタコワの全幕・・・お勧めはしないです。
好みのはっきりした人より、初心者に見せたい安全パイみたいな感じ。
だってはじめての「白鳥」がヴィシニョーワだったら・・・(って私も見てませんが)
今年もよろしくお願いいたします。
次にFさんとニアミスしそうなのは、どの公演でしょう。
どうもロイヤルでは完全にすれ違いそうな気がします。
投稿者: ogawama | 2010年1月 5日 22:05
日時: 2010年1月 5日 22:05