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マリインスキー・バレエ「オールスター・ガラ」12/10,11

マリインスキー・バレエの来日公演ラストの「オールスター・ガラ」に行った。バレエファン歴3年目の私、今年いやというほど思い知ったことがある。それは、自分の休みに合わせていたらいい公演は見られないということ。やたら早退できる職種ではない。仕事のあと都内の会場に駆けつけられるのは、どんなに急いでも7時半。それでも、見たい公演があったらなんとしても会場に入らないと。ロパ様にコルプにサラファーノフを見ずして、マリインスキーを見たとは言えないわ。ということで、目玉の「シェエラザード」は捨てる覚悟で、7時開演のガラのチケットを2日分、取ったのだった。

電車の不通とか帰る間際の急患とかに阻まれつつ、10、11日の両日とも7時半まわるくらいには東京文化会館にたどりつくことができた。本気でぜいぜい。会場片隅に入れてもらって、はじめて見る完全版(ですよね)「シェエラザード」は残り15分、響宴の途中から。ちょっと退廃的な、エキゾチックな舞台を目にしてさっそくうっとり。衣装もセットもキーロフ風味にシックな、アラビアン・ナイトの世界だ〜。ロパートキナは、プログラムなんかの写真より舞台上の方が、若々しくて可憐。そして身体の隅々の関節まで美しく統御され、全身でバレエを奏でている。どこか頼りなげな風情が不思議だ。コルスンツェフは長身でイケメン系だけど、ストレートで印象薄い。ゾベイダのおもちゃって感じ。ヴィシニョーワとコルプのペアは互いに楽しんでねっとり度を競い合っているように見えた。ヴィシの美しさは鉄壁。あの顔にあのメイク。ロパ様が自害するシーンでは孤独を逃れて死にゆくような弱きものの儚さを感じたけど、ヴィシの場合は完璧な美を持つ者は死ななければならないのよ、みたいな毅然とした美意識が垣間見えた。金の奴隷はなんと言ってもルジマトフ、と聞く。ルジマトフ・ガラで一部は見たことあるけど、完全版を見てみたい。

第2部パ・ド・ドゥ集は、キーロフの姫たち、百花繚乱。まず10日は

「ジゼル」 2幕のパ・ド・ドゥ
 アリーナ・ソーモワ /ミハイル・ロブーヒン

「グラン・パ・クラシック」
 エヴゲーニャ・オブラスツォーワ/マキシム・ジュージン

「シンデレラ」パ・ド・ドゥ
 ディアナ・ヴィシニョーワ/イーゴリ・コールプ

「瀕死の白鳥」
 ウリヤーナ・ロパートキナ

「タランテラ」
 ヴィクトリア・テリョーシキナ/レオニード・サラファーノフ

ソーモワのジゼルは美しいけど空虚、前日イワンだったロブーヒンの変身ぶりににやり。かわいいオブラスツォーワはジュージンという男子と手堅いグラン・パ・クラシック。ヴィシとコルプのラトマンスキー版シンデレラは、非の打ち所のない出来のはずなんだけど社交ダンスのように見えた。リフトが単調で退屈。ロパ様の瀕死は、なんかもったいなくて落ち着いて見られなくて、あっという間に終わってしまった。残念ながらR3列だったし。テリョーシキナもサラファーノフもとっても巧みに踊っていたけど、あの「タランテラ」は本家のものとは違う・・・。タンバリンの音が全然足りなくて、生殺しな気分。

11日は

「シンデレラ」パ・ド・ドゥ
 エフゲーニヤ・オブラスツォーワ/ミハイル・ロブーヒン

「ロミオとジュリエット」バルコニーの場面
 ヴィクトリア・テリョーシキナ&エフゲニー・イワンチェンコ

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
 アリーナ・ソーモワ&レオニード・サラファーノフ

「瀕死の白鳥」
 ディアナ・ヴィシニョーワ

「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」
 ウリヤーナ・ロパートキナ/イーゴリ・コールプ

びっくり。10日と同じ演目とは全く思えないシンデレラ。オブラスツォーワが清楚で可憐なこと〜。どきどき。私の双眼鏡は夢中で彼女だけを追っていったのだが、あの見事な動きはロブーヒンのサポートあってのことなのだと、あとから聞いた。そっかロブーヒンてテクニシャンなんだ。これからキーロフ男子の中では注目していこう。テリョーシキナの肢体は相変わらず完璧、テクニックも盤石で特に欠点は見当たらないのだが、どうも感情移入できない。双眼鏡で見ると、ひいてしまう。。イワンチェンコ??ソーモワはだいぶ寛いでチャイパドを踊っていた感じで、脚を高ーく上げたところは好きなんだけど、全然音楽が聴こえてこなくて悲しかった。サラファーノフとソーモワの顔の大きさの違いも、ちょっと悲しい。ヴィシの瀕死は、気負いなく見たせいか白鳥のもがく様が素直に目に浮かんできて、「わかりやすい」という印象。そしてロパ様はやっぱりすごい。まだ2、3回しか見たことのないザ・グラン・パ・ド・ドゥだけど、巧い人が踊るととても華やかな演目なのだとわかった。どんなポーズもお手のもののロパ様、軽やかなキメ具合が気持ちいい。コルプも彼女に敬意を表して、一歩譲っている感じ。すっかり感動しちゃったけど、アメリカのダンサーが踊るともっといいよという話も聞いて、まだ上がいるのかと感心。

11日の方がテンション上がった。ダンサーたちも最終日だからと気合いを入れていたのだろうか。


さて第3部「海賊」組曲。この演目は去年のアメリカン・バレエ・シアターの来日公演で3回連続見たしDVDも持っているから、ABTのスーパーなイメージが刷り込まれている。まあキーロフの女性ダンサーの方が断然麗しいけど、アリとコンラッドはちょっとねえ。いやシクリャローフは、2日目は唇の色が控えめで、好感度が上がった。ここは3人のオダリスクが見どころだったのかも。2日目の真後ろの席の人が、彼女らが登場する度熱心に拍手を送っていた。

[10日]
 メドーラ:アリーナ・ソーモワ  コンラッド:エフゲニー・イワンチェンコ  アリ:ウラジーミル・シクリャローフ  ギュリナーラ:エフゲーニヤ・オブラスツォーワ 3人のオダリスク:マリーヤシリンキナ/ヤナ・セリーナ/エリザヴェータ・チェプラソワ
[11日]
 メドーラ:ヴィクトリア・テリョーシキナ  コンラッド:ダニーラ・コルスンツェフ  アリ:ウラジーミル・シクリャローフ  ギュリナーラ:エフゲーニヤ・オブラスツォーワ  3人のオダリスク:マリーヤ・シリンキナ/ヤナ・セリーナ/エリザヴェータ・チェプラソワ

ふう。それにしても、マリインスキーはやはり超一流、素晴らしいカンパニーだった。ガラの前にほとんどのダンサーが帰国してしまったそうだけど、コール・ドにいたるまで端正な子揃いで、この上なく目の保養になる。姫たちはそれぞれ独特の魅力があってテクニックがあって、とにかく美しい〜。キーロフの全幕は間違いなく見る価値がある。次回2012年の公演を、楽しみに待ってます♪

コメント (5)

nana:

マラト・シェミウノフの個展
ルジマートフが芸術監督をしているレニングラード国立バレエ団のプリンシパル、マラト・シェミウノフが絵を描いていることは皆さん御存知ですか?彼の絵は、彼のホームページ(http://www.inkling.ru/)でも見ることが出来ますが、今年のお正月、マラトがペレンその他のダンサーと共に、江の島に遊びに来た時(日本での公演がoffの日に)私共の画廊に立ち寄った縁で、来年2010年1月1日(金)から1月20日(水)までマラト・シェミウノフの個展を開催することになりました。マラトはロシア国外初の個展を日本ですることになり、大変張り切っており、オープニングの1月1日(17:00~)と1月13日(18:00~)には当画廊でパフォーマンス(ダンス)もいたします。(13日はペレンと共に踊ります。)マラトはバレエファンの方に沢山いらして頂けることを望んでおりますので、お時間がおありでしたら是非御高覧頂くことを切に望んでおります。 (入場、パフォーマンス鑑賞無料)
ギャラリーT 神奈川県藤沢市片瀬海岸1-9-10
       電話 0466-22-4057 (玉屋)
       木曜日 休廊  10:00~18:00
画廊の地図は画廊のホームページで見られます。http://www.gallery-t.net/

どうぞよろしくお願い申し上げます。

またまた自分も観てきたような気分にさせられました~~♪(ありがとうございます^^)
>なんかもったいなくて落ち着いて見られなくて
これとかめちゃめちゃ分かります。
気持ちに追いついていかないんですよね目が。
なんかどこかブログでコルスンツェフの肉体美がすごかったみたいな感想を読んで(シェエラザードかな)、それだけでも観たかったなあ~と思いました笑。
あのコルスンツェフも脱いだらすごい。みたいな笑。
(あ、でもなんだかんだいって私コルスンツェフ好きです~)
でもogawamaさんの感想読んでいると、ほんと色々観ないいけないなーと思います^^;比較対照がないと書けないこともあるし・・
来年のボリショイとの合同も楽しみですね。
ロパ様はなかなか日本に来ないとの噂ですが(娘さんがいるからかな?)来てくれるといいですね!


一連のマリインスキーレポ、ありがとうございました。
私は全スルーでしたので、こちらで仮想鑑賞させていただきました。

ロパ様やヴィシが素晴らしいのは分かっているので、私がもし全幕を観るなら
テリョーシキナより下の世代だったと思います。
ソーモワがジゼルの両幕で魅せられるようになった時、彼女の第二の飛躍が
やってくるのではないでしょうか。
テリョーシキナは好きなんですが「感情移入できない容姿」というのも分かります。
まぁもし彼女がハッと目を引く素晴らしい美人だったら、マリインスキー次世代は
一強とその他…なんてことになっていたかも。
とはいえogawamaさんの予想通り(笑)私の一押しはオブラスツォーワですが。
そして各所でヤナ・セリーナの評判が良いみたいですが、私も観たかったです。

もう次の来日が予定されているのですか~
三年後にやって来るメンツはどうなっているでしょう。楽しみですね。

ogawama:

>みいこさん
色々、手当たり次第にダンス関係は見ていますが、単に好みが確定していないだけです。
最近はだいぶ選ぶようになったんですよ。
ロシアバレエは好きです。
クラシックの殿堂って感じで。
マリインスキーの姫たちは、もう文句ないですね。
好き嫌い言ってますが、ベースは素晴らしいと思うし機会があったらチケット取ります。
ロパ様はなかなか見られないようだけど、DVDが結構あるから、それで満足かな〜。

ogawama:

>Fさん
そうですねー、ロパ様やヴィシ様は映像があるから、苦労して全幕のチケット取らなくてもいい感じしますね。
テリョーシキナやソーモワはテクニック的には非凡なダンサーだと思いますが、感情表現が単調な気がします。
でもそれは後からついてくるでしょう。
オブラスツォーワは逆にテクニックがもっと強いといいのかなー。
若いダンサーは成長ぶりを楽しめるから、追っかけて行きたくなりますね!

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