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村田朋泰展「2」

両国のGALLERY MoMoで村田朋泰展 「2」を見た(10/17マデ)。今日はBATIKの舞台も見てきて、いつもだったら舞台優先で感想を書くのだけど、今回の村田さんの展開は予想外だったし好きな路線だったので、先に記録することにした。

と言ってもアート作品の説明って難しい。あんまり具体的に書くとネタばれみたいになるし表現が不味いと作家さんに悪いし。あくまで主観で、とお断りして。ちなみにこれが今回の個展のイメージ画像。不思議な人形でしょう。DMで見た時「あれ?今までとイメージが違う」と思ったんだけど、全体的にいい感じの変化だったので安心した。この村田さんお手製の人形、ちゃんと実物が展示されていた。

20090930_01 ギャラリーのサイトから拝借

私は2006年の目黒区美術館での個展で村田さんのファンになったんだけど、彼の作品には色々なシリーズがあって、それらが満遍なく好きというわけではない。「さかだちくん」みたいなマンガキャラには興味がなくて、あと最近の宇宙人みたいなのが出てくる絵画は苦手。やはりパペットアニメの高い叙情性に惹かれる。TOKYO LOOPに登場したような綺麗系もいいけど。今年の平塚市美術館の個展では「百色旅館」と称して美術館全体をレトロな雰囲気で包んでいたけど、ああいう凝り性気質が好ましいんだと思う。(TOMOYASU MURATA COMPANY.のYouTubeオフィシャルページはこちら

さて両国のGALLERY MoMo、入り口ウィンドーに見事なインスタレーションがあって、飾られた細々としたオブジェはアニメ製作に使われた素材なんだろうなと思われる。しかしギャラリーに入ると村田さんのイメージが見当たらない。マンガもパペットも過去を引きずる男の影も温泉もないっ。並ぶのは箱庭的ミクストメディア。ちょっと暗くて少女的で、シュヴァンクマイエルとかヘンリー・ダーガーの名が頭をよぎったけど、別に女の子が出てくるわけではない。小石や枯れ葉やおなかの裂けたウサギの人形や古い子供靴、毛糸、小鳥、試験管、ビニルチューブ・・・。だめ、説明できない。過去に他作家において見たことのあるような系統の作品ではあるんだけど、よーく観察すると村田さんらしさがあって、それは作業の細かさや考え抜かれた配置なんていう、気配的なものだったりする。糸の縄梯子が床から天井に伝わっていて、目で追っていくと天井に温室みたいな空間が設えてあったり。軽くぐさっと来る。しみじみと作品のひとつひとつを眺めていたら、すごいツボなヤツがあってあせった。たしか《世界3号/断片》というガラス張りの箱で、バックにライトが仕込んであってこれが不規則に点灯する。もうね高さが1m以上あって(奥行きも20cmくらいあった)コンセントまで付いていて中はオブジェがびっしりで、こんな作り込まれた作品、家にあったら持て余します。でもこれは素敵!ムラムラしました。

実は白眉はギャラリーの奥の部屋の映像を中心としたインスタレーションだったんだけど、これにはもう何も言いますまい。ひとことだけはさめば、村田さんと言えば映像、私的には「檸檬の路」より全然スキ。「あの」人形も奥の奥に鎮座している。このGALLERY MoMo両国に入ったのははじめてで、こんなに広いとは思っていなかったんだけど、スペースの隅から隅まで村田さんは制御し切っていた。今回の路線、実は今年のGEISAI #12で発表されていたそうだけど、そこまではチェックしていなかった(GEISAI行ったけど)。なので私にとっては衝撃的な変化だった。

思ったんだけど、村田さんの真骨頂はあの偏執的とも言える職人気質なのではないか。「関節の入った人形を動かして撮る」という超煩雑な作業を、人形製作からすべて自分でやってしまう村田さん。彼の才能が活かされた今回の個展はすごく良かった。ギャラリーの方によると、現在六本木の方で開催されている常設展「村田朋泰2003-2008」(10/24マデ、こっちも行った)みたいな村田さんが好きな一部のファンには、両国の展開は不評なのだそう。どうなんだろう。すでに今日、ひとりの方にメールを送りひとりの方にはDMを差し上げてこの展覧会をお勧めした。このエントリを読んでくださった方が実際に足を運んで何かを感じてくださったら、うれしいなあと思います。

20090930_02

コメント (6)

meme:

ウィンドウの写真、うまく撮れてますね。
力の入ったレビューはさすがです!

ogawama:

>memeさん
力入りました〜
昨日は牧場に出勤できませんでしたもん。
でもあらかじめこの個展を見てたmemeさんはともかく、他の人に何か伝わったか・・・
私、ストイックでひたすらマイ世界にこだわる作家さんが好きみたいです。

KIN:

煽られました、ので見てきました。
見に行けました!
凄かったです。いやー、良かった。

ogawama:

>KINさん
煽ったことを感謝されてもいい、という自信あります。
見に行けて良かったですね!
KINさんもこの村田さんの変化を受入れる派なんですね、よかった〜

あおひー:

会場を巻き込んでしまうこのチカラは一体なんでしょうね~。
味わい深くて、長居しちゃいました。

ogawama:

>あおひーさん
目黒区美術館の初個展で感じた通り、村田さんはものすごいこだわりの人でした。
作り込まれた作品には魂が宿ってるって言うか。
映像が長かったせいもありますが、それにしてもギャラリーにあんな長時間いたのははじめてでした。

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