東京藝術大学美術館で開催中の「コレクションの誕生、成長、変容」展に行った(8/16マデ)。一村雨さんのお勧めなので多少は期待していたけど、展示室に入ってびっくり仰天。こんなにさりげなく出していいの?という名品が続々。諸事情で実際見てからブログに書くのに2wks近くかかってしまったけど、藝大を出た直後にtwitterで「お口ぽかんの世界」と呟いたほど、印象の強い展覧会だった。
第1章 コレクションの誕生 岡倉天心と東京美術学校初期の収蔵品
・狩野芳崖《岩石》《悲母観音》
初っ端から良いものが〜。狩野芳崖に対する思い入れは昨年の藝大の回顧展で植え付けられたのだが、早くも《悲母観音》に再会できるとは、嬉しい限り。《岩石》は本当に岩石しか描いていないところが笑える。絵師として生活苦に喘ぐ時期もあっただろうに、こうして好きなモチーフだけの作品を残すとは、さすが。
・曾我蕭白《群仙図屏風》《山水図屏風》
東博「対決!」の興奮が生々しく蘇ってくる。
・伊藤若冲《鯉図》
割と若い頃の作品だそうで、鯉と水草が真面目に描いてあるんだけど、すでに若冲っぽさの萌芽があって見飽きない。若冲はたくさん見ているのに、どうしてこういちいち目が止まってしまうのか。
第2章 正木直彦校長時代のコレクション
・曾我蕭白《柳下鬼女図屏風》
また蕭白!ちょっとゆるめ。
・川合玉堂《鵜飼》
好きな画家ではないのだが、これには参った。この波の、水しぶきのリアルさ。有無を言わせない。
・上村松園《序の舞》
キャプションを見て、名取裕子主演の映画「序の舞」のモデルが松園だったことにはじめて気付きました。馬鹿ですみません〜。
・山口蓬春《晩秋(深草)・雨霽(伏見)/洛南の巻六題の内》
たしか学生時代の作品だったと思うが、ちょっとぼんやりとして透明感があって、やわらかく優しい色合いがとても綺麗。若い頃から独特のセンスを持っていたのだなと感心。
・セーヴル国立陶磁製作所《舞踏人形》
洋画コーナーに置いてあったけど。これは感激。両手を挙げて薄布をはためかせながら舞う長衣の女性の姿が大変優美。こんな繊細な像が造れたなんて。
第3章 黒田清輝と西洋画コレクション
・原田直次郎《 靴屋の親爺》《老人》
「日本人の」描いた洋画に見えない。
・藤田嗣治《婦人像》
卒制の《自画像》以前の丁寧な油彩。女性の横顔に独特の情感があって、この人は若い頃から女性に対するこだわりがはっきりしていたんだなあと思った。
第4章 平櫛田中の彫刻コレクション
このあたりすごく気に入った像が2体ほどあったのだが、2週間のうちに忘れてしまった。orz
見に行かれた方が次々に絶賛されているけど、私も推薦します。驚きに満ちたコレクションだった。藝大は後世に残る芸術家たちの、学生時代の作品まで有しているのだから、とてもかなわない。コレクションの全貌が知りたいものだ。



コメント (2)
序の舞は、15年間、毎月1回通っていた飲み屋の座敷に
かかっていた絵でした。
2年前に店を畳んでしまったので、今回、初めて実物を見て
嬉しかったです。しかし、予想よりも相当大きくて驚きました。
投稿者: 一村雨 | 2009年7月27日 23:13
日時: 2009年7月27日 23:13
>一村雨さん
「序の舞」がかかっているなんて、素敵な飲み屋さんですね。
でも一村雨さんがはじめて実物をご覧になったなんて、芸大はずいぶん長いことこの作品をしまい込んでいたのですね。
あの朱の着物の女性の凛とした表情や仕草は、濁りがなくて気高かったです。
投稿者: ogawama | 2009年7月28日 22:24
日時: 2009年7月28日 22:24