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ゴーギャン展 2009

東京国立近代美術館で、ゴーギャン展 2009を観てきた。えーっと、もう10日前のこと。開催2日目の夜間開館の時間に、仕事の後飛び込んだのだった。職場から駅までタクシー、駅から近美までタクシーと頑張ったのは、あの時の感動を1日でも早く味わいたかったから。1987年の近美のゴーギャン展。私がはじめて夢中になった美術展だった。

当時はブログなんてなかったから、ネットにはあの展覧会の情報はほとんど残っていない。おぼろげな記憶の中で、私はゴーギャンの装飾性豊かな「色」に感動して、でも図録と実物の色は全然違うことに気付いて、仕方ないから全部憶えて帰ろうと(大真面目)3周も4周もしてお気に入りの作品を凝視しまくった。特に好きだったのがあたたかいピンク。このピンクと、緑や青紫や黄色との配色の妙が絶妙で、描かれている対象は南の島の素朴な人や風景なんだけど、なんて洗練された絵なのだろうと大興奮したものだった。

なので今回のゴーギャン展で期待したのは、鮮やかな色彩、特にピンク。あの色と再会して、20年以上前の自分の感動とシンクロする瞬間をドキドキしながら待ったのだけど(「時をかける少女」のラベンダーの香りみたいな)、その時は訪れなかった。ちょっと拍子抜け。海外から来ている作品にいくつかはっとするような佳品があったが、色味は渋め。配色のセンスは素晴らしいのだけど、「派手さ」に欠けるのよね。それに作品数が少ない。1987年のゴーギャン展はなんと150点も出展されていたそうだから、50点の今回は落差が激しい。ただ、1987年の大回顧展には欠けていた《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》がそこにあることで、この展覧会の開催意義は強く感じた。

いいなと思った作品は以下の通り。

・《洗濯する女たち、アルル》(ニューヨーク近代美術館蔵)
タヒチに行かずこの路線で進んでくれても良かったと思う。地味ながら、良く見ると唸ってしまうような見事なカラリング。
20090714_01

・《二人のブルターニュ女のいる風景》(ボストン美術館蔵)
調和の取れた穏やかな色彩の画面を斜めに横切る木のラインが、大胆。

・《エ・ハレ・オエ・イ・ヒア(どこへ行くの?)》 (シュトゥットガルト州立美術館蔵)
1987年のゴーギャン展のイメージに一番近かった。ピンクはないけど。
20090714_02

・《浅瀬(逃走)》(プーシキン美術館蔵)
1987年にも来ていた画。ほら、懐かしいピンクがちらっと。死のイメージを持つ不思議な作品。
20090714_03

・《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》(ボストン美術館蔵)
沈んだブルーが美しい。ゴーギャンにとって青は死のイメージなのかも。《浅瀬(逃走)》の人物が渡ろうとしている青い浅瀬は「死の淵」の象徴と取れるそうだし。上端両隅にのぞく黄色の縁取りのような部分が、この画の装飾度をぐんと高めている。各人物について細かい解説が付されていたが、まあ理屈抜きで対峙してもゴーギャンの深い精神が流れ込んでくるようで、圧倒される。

ネットの古本屋で1987年回顧展の図録を入手した。昔持っていたけど捨ててしまっていたので。これでもう少し昔の記憶を掘り起こしてから、本展を再訪します。

コメント (4)

遊行七恵:

こんにちは
'87年のゴーギャン展、知らないわたしです。
「逃亡」は向かう方向がひどく気になって、プーシキン美術館展のときにも色々思いを巡らせたものでした。
ゴーギャンのピンク・・・図録でのその色は思い出せますが、やはり実物に会いたいですね。

これはいい展覧会だと思っています。

ogawama:

>遊行七恵さん
うん、いい展覧会でした。
よくぞこれだけ集めた、と後から振り返って思いました。
でも、これを見た後で私の中で変わった部分てほとんどなかったんですよね。
年取ったせいですねー。
前の展覧会では作品数に合わせてゴーギャンの生涯もかなり細かく追えたので、親近感が強かったかもしれません。

ogawamaさん、まだお子様のころから、美術館に通うようになったのですね~
実は私も高校生のころ、我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのかという
タイトルを覚えることができて、ひとり悦に入っていたのでした。
20年前の展覧会、見たかったです。

ogawama:

>一村雨さん
お、お子様ですか?
そうだったかもしれません〜。
20年前はゴーギャンの集大成と言われる「我々は...」が会場にないことに(どんな絵か知りもしなかったくせに)失望を感じたのですが、今思えばとんでもない贅沢でした。
でも、今遭えて良かった・・・。

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