軽井沢で毎年8月に開催される音楽祭「軽井沢八月祭」、に行ってきた。期間は8月16日(土)~24日(日)だけど、お盆休みを利用して訪れたので、16・17日の大賀ホールリサイタルだけ参加。1公演1時間、公演の合間にも1時間の空きがあって、ロビーでワインなど飲みながらだらだら過ごすことができた。大賀ホールは音響抜群のこじんまりとした五角形のホール。公園の中にあって大きな池に面していて、旧軽あたりの喧噪が嘘みたいなのんびりした空間をつくっていた。
リサイタルシリーズ8演目のうち、聴いたのは3つ。
・姜建華(二胡)&有森直樹(ピアノ)
劉天華:光明行/喜多郎:シルクロード/劉天華:空山鳥語/劉天華:燭影揺紅/劉文金:三門峡揚/陳網:陽光照耀着/BIGIN:涙そうそう/シューベルト:アヴェ・ マリア/クライスラー:愛の喜び/モンティ:チャールダーシュ
二胡は弦が2本しかない中国の擦弦楽器で、スタイリッシュなシルエットを持つ。やっぱり中国の定番曲が一番音色を活かしていたように聴こえたけど、喜多郎やBIGINなんかにもよく合っていた。一見おっとりした姜建華さんのハイパーテクニックは素人目にも明らかで、西欧クラシック曲では2弦とは到底思えない複雑な音を奏でる。ほんとにバイオリンのように聴こえた。
・徳永二男(ヴァイオリン)& 林絵里 (ピアノ)
ヴィターリ:シャコンヌ
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ op. 134
チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
素晴らしかった!徳永二男さんはプログラムの写真で見るといかつくて生真面目そうなおじさまなのだが、舞台上では黒のスタンドカラーのスーツを着こなして超絶技巧を繰り広げる、ヴァイオリンのマジシャン。ショスタコのヴァイオリン・ソナタ、重くて暗かったー。でも堪能。ツィゴイネルワイゼンなんて聴くの久しぶりだけど、やっぱり胸躍る名曲だ。ホールの音響がいいので隅々まで音を味わえて、気持ちよかった。
・藤原道山(尺八)&遠藤千晶(箏)
都山流本曲:鶴の巣籠(藤原)/光崎検校:五段砧(藤原、遠藤)/唯是震一:無伴奏尺八組曲第5番「ペルシャ」Ⅰ. 大砂丘、Ⅱ. 楔形文字、Ⅲ. 王の墓、Ⅳ.市場/藤原道山:空(くう)(藤原)/沢井忠夫:上弦の曲(藤原、遠藤)
今回のメイン。藤原氏は「尺八界のニュー・スター」なんだそうで、正当派イケメン。はにかみがちな笑顔は絶対に女性に受ける。しかも尺八の巧いこと。あんなに吹いたら音が裏返っちゃうんじゃないかと思うくらい強いんだけど、音色が乱れない。正直古典曲ではふーっと眠くなったけど、藤原さん自作の「空」や沢井忠夫(違いのわかる男のゴールド・ブレンド)曲ではスリリングな展開に胸躍り、邦楽的な華やかさを楽しめた。お琴の遠藤千晶さんは友人のお師匠。すでに何度か演奏を聴かせて頂いているけど、いつもながらの端正で切れのある箏の音色に、感動。着物の着こなしも素敵なのだ。