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パリ国立オペラ「消えた男の日記/青ひげ公の城」7/30

先週の「アリアーヌと青ひげ」(感想)に続いて、オーチャードホールでパリ国立オペラの公演「消えた男の日記/青ひげ公の城」を鑑賞した。

 指揮:グスタフ・クーン  演出:ラ・フラ・デルス・バウス  「消えた男の日記」(レオシュ・ヤナーチェク)  男:ミヒャイル・ケーニッヒ(テノール)  女:ハンナ・エステル・ミニュティロ(メゾ・ソプラノ)  「青ひげ公の城」(ベラ・バルトーク)  青ひげ公:ウィラード・ホワイト(バス・バリトン)  ユディット:ジャンヌ=ミシェル・シャルボネ(ソプラノ)

この日は風邪で喉が痛くて、仕事のことを考えると家で寝ているべきだと思ったけど、チケットがもったいないのでとにかく会場に行った。うまくしたらダフ屋に売れるかも、なんて考えていたが、着いたのが遅過ぎたのか需要がなかったのか、それらしきものに遭遇せず(先週はいた)。咳対策のミネラルウォーターを抱えて会場入り。席は前回と同じ3FC席。2回の公演を1回に絞ればS席が余裕で買えたわけだけど、それは結果論。初心者に選ぶ余裕はなく、逆にもっとランクを落として「トリスタンとイゾルデ」も見た方が良かったとも思う。まあ、安い席は即完売だったから、買えなかったのだ。バレエでも同じ演目を何度か見ると、そのカンパニーの雰囲気がわかってくるもの。パリ国立オペラ管、もっとおつきあいしたかった・・・。

「アリアーヌ」では演出に気を取られてオケの美しい音色を十分堪能できなかったので、今回は双眼鏡はあんまり使わずに楽しもうと決めていた。ただし開幕前は別。オケピットの楽団員をじろじろ眺める。彼らがあの至高の音楽を紡ぎ出すのねえ。なんかいい男、いい女ばかりだわ。さすがパリジャン、パリジェンヌ・・・。風邪のためぼーっとなっている。

で、まずはミニ・オペラ、「消えた男の日記」。35分ほどの短い作品だ。ウェブサイトやプログラムで予備知識は得ているから、舞台左手にスポットライトが当たって人一人分の穴の中に上半身ハダカの男がはまっていても、びっくりはしない。ミヒャイル・ケーニッヒ、とっても美声のテノール。振りもあわせて感情表現が豊か。真っ赤なシャツの裾をおへそのあたりで結んで、黒のホットパンツとハイヒールで歩いてくるのはハンナ・エステル・ミニュティロ。オペラ歌手?という感じの美脚だが、声もしっかりしている。誘惑するジプシー女だ。後半、ついに彼女に堕ちたケーニッヒに迫り来るのは、パンツ1枚で床を這いずって迫ってくる12人の男女のパフォーマー。多分牛の役だと思うんだけど、とにかくアバンギャルドだこと。舞台装置と言えば床の穴だけ、これがスペインの演劇集団、ラ・フラ・デルス・バウスの演出なのね。バルセロナ・オリンピックのオープニングの仕掛人だそうだけど、覚えていないなあ。モルティエ氏が気に入っているらしい。ヤナーチェクの曲はとても詩的で、オケは歌手を盛り立てる脇役のような感じだった。

「青ひけ公の城」、こっちも1幕だけど60分。「トリスタンとイゾルデ」では曲想に合ったビル・ヴィオラの映像がガンガン出てきてとても効果的だったそうだけど、こちらも同じ路線か。ガルニエ宮の写真を青ひげの城に見立てて投影していたらしいが、はじめはすごく新鮮だったけど、後半飽きた。ビル・ヴィオラの作品みたいに舞台に何層か薄幕を張って映す手法も。セットはそれなりに作られていて、マトリックスみたいな文字が無数に書かれたビニールのテープがのれんみたいに舞台をびっしり埋め尽くしたり、歌手ふたりがかなり高くまで登って行けるような白い階段が現れたり。なんとベッドが出て来てベッドシーンまで。歌手はシャツを脱ぎ捨てて絡み合う。さすがフランス。シーツの穴から先妻たちの腕がにょきっと出て、青ひげをなで回すというシュールな演出もあり、うーんパリはエスプリだなあと。

「アリアーヌ」で前半ちょっぴりしか歌わなかったウィラード・ホワイトは、今回は歌いっぱなし。期待通りのよく響く低音。「アリアーヌ」はポール・デュカスが自分の彼女(歌手)のために作った曲だそうだからアリアーヌばっかり歌うらしいが、やっぱりオペラは男と女の声が錯綜しないと。ジャンヌ=ミシェル・シャルボネもよく声が通って、ホワイトと堂々と渡り合っていた。はじめての曲なので全体は把握できなかったけど(予習CDをAmazonに発注したけど間に合わなかった)、曲構成が歌中心の感じだったような気がする。オケの音は相変わらず驚異的に溶け合っていてとても美しかったけど、前回の方が感動した。デユカスは曲自体とても気に入ったので、iTSで買ったBBC交響楽団の他にポラスキ版のCDも追加購入したほどだ。

でも、今回思い切って2回も公演に行って良かった。美しい世界だった。オペラは高いので、さしあたってMETライブビューイングでお勉強しようと思っている。


コメント (2)

すごい~!!!!!!
これいかれたのですね!
私は値段を見て「オペラってこんなにするんだ@_@」
という感じでした…。
一度ライブを味わってみたいものです!

ogawama:

>はなさん
バレエを見るようになってから、チケットに関する金銭感覚が麻痺してしまいました。
だってバレエブログを書かれるような方たちって、私の3倍くらいは見ていらっしゃるんですよ。
その分外食を減らしたりして、節約するんですよね。
私ももっぱら「飲まない」「食事はウチで」です。
オペラを楽しめるほどふだん音楽を聴いていないのですが、よい経験になりましたw

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