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デボラ・コルカー・カンパニー「ルート ROTA」6/22

神奈川県民ホールで開催されたデボラ・コルカー・カンパニー(fromブラジル)のダンス公演「ルート」を観た。日本初演。チラシの写真があんまり好きでなかったので(↓の画像みたいなの、なんかエレガンスがない)ギリギリまで迷っていたのだが、行ってよかった〜。デボラ・コルカーのファンになった。

1年ほど前から急にバレエを観るようになって、公演のたび色々なチラシをもらうので、最近すっかり舞台にはまっている。この日は夜能を見たし、先週は6月大歌舞伎とオペラ。6月は2度のベジャール・バレエ・ローザンヌ公演がメインだったわけだけど、広く浅く舞台を楽しんでいる(いつかジャニのコンサートにも行きたいw)。そんな中で相性が一番良かったのは今回のデボラ・コルカーだった。

去年の1月に観たコンテンポラリー・サーカス、フェリア・ミュジカを思い出すアクロバティックな面もあったが、こちらはあくまでダンス。ベースのクラシックバレエの優美さとダンサーの身体能力の高さによるダイナミズムを巧みに利用して、静と動、収縮と拡散、抑制と解放、みたいなメリハリのある気持ちいいグルーヴを発射してくる。デボラ・コルカーはプロのピアニストでありバレーボール選手だった。だからモーツァルトやシュトラウスをリミックスし、ダンサーの身体表現を従来と違う次元に引き上げることが可能なのだろう。

1幕はテンポの速いバレエふう。女性はチュチュみたいな短いフレアースカートをくるくるさせて、ユーモラスに踊る。神奈川ARTS PRESSのインタビューでコルカーは「ダンサーの動きを中心に『水平』に関する思考の流れを作っていった」と言っている。男女のダンサーが絶えず入れ替わり、全体が波のようにさざめいている感じ。照明も明るい。25分という短くて楽しいひとときだった(気持ちよくて、時々うとうとしてしまった)。

2幕はとても意外な展開。照明が暗くなりセットは鉄骨。ダンサーの動きは緩慢。わざとゆっくり、完璧な筋肉の制御を誇示しているかのよう。ダンサー達の肩の上をひとりダンサーが歩く。よろめかないし、誰にも手を借りない。様々な大きさのユニットが不可思議な動きをしながら通り過ぎて行く。一部は組体操だ。そして・・・。中央の鉄の大車輪が回り出す。半径が人の身長をやや越えるくらいあって、これに乗ったダンサーは回転を利用して大きな上下運動を行う。コルカー曰く、「後半では垂直方向の空間を構成したくなって、あの巨大なリングを使ったんです」。メインになるダンサーというのは特にいなくて(ドレッドヘアの男性とオレンジのベリーショートの女性がちょっと目立っていたけど)、みんなが肩の上を歩いたり組体操したり床運動したりリングでぐわーっと上昇下降したり、途切れることなくパフォーマンスが続いていく。空間の使い方がかなり大胆になってきたところで照明が神々しい色を帯び、私の胸はじーんと詰まってきた。

ほら、前方と後方には鉄骨の足場があって、疲れを知らないダンサーたちは鳥のように堂々と止まってみせるのだ。フォーメーションは色々。人間の体が完璧に舞台に組み込まれていて、こういう振付けってあり〜?とコルカーに畏敬の念を感じた。彼女は黒いパンツスーツを着て、客席にいた。

制御された人間の身体って美しい。だから私はダンスが好きなんだな。歌舞伎役者も能のシテもオペラ歌手も舞台俳優も美しいけど、一等エレガントなのはダンサーだ。

音楽も良かったので会場で販売されていたDVDを買おうと思ったのだが、所持金が3,000円を切っていて買えなかった。...SuicaとEdyで生活してるので。すごい悔しい。Amazon.comに行かないとだめかなあ。苦手。

Deborah Colkerのカンパニーのサイトは、ebi-jiroさんが紹介くださっている。いつも情報ありがとうございます♪

コメント (4)

ebiji:

こんにちは~
デボラ・コルカー・カンパニー、観にいけなかったので舞台の感想をお聞きする事ができて感謝です!っていうか妬ましい!(笑)
とっても素敵な公演だったようですね~。ブログを拝見して次回こそはと後悔&決意をしました。

それにしてもogawamaさんの守備範囲の広さには驚きます。
私も沢山舞台を観て、自分の好みの公演を嗅ぎ分ける嗅覚を鍛えねば~!

>ebijiさん
いつも本っ当にお世話になっております。
シュツットガルトのサブリミナル、完全に効いています。

何かのエントリで、ebijiさんは個々のダンサーよりカンパニー全体で観るとおっしゃっていたと思いますが、私もそういう見方が好きです。
デボラ・コルカーの演出ではダンサーが個性を主張せずチームの一員として動いていて、面白かったです。

はじめましてお邪魔します。
デボラ・コルカーの記事で立ち寄らせていただきました。

私もこの舞台見ました。
(しかも、ベジャールバレエの来日公演の時に配布されたチラシを見て!)
そして、このカンパニーが気に入ってしまった一人です。

2幕、
>わざとゆっくり、完璧な筋肉の制御を誇示しているかのよう。
ホントにその通りですね!
全ダンサーが、それぞれ全身の筋肉を残らず把握していて、その全てに神経を行き届かせて動作をおこなっている。
その「余すところなく」感は、ベジャールのカンパニーのダンサーにも言えるかもしれません。ダンスの内容は違いますけどね。

初来日公演だそうで、客席は埋まりきっていませんでしたが、終演後はあたたかい拍手に包まれたのが、印象深いです。

いきなりの長文失礼しました!!

ogawama:

>taiyuan13さま
いらっしゃいませ。
わーBBLもご覧になっているのですね。同志ですね!
ラララは行かれました?

このカンパニーのダンサーは個を主張してないのにそれぞれ存在感がしっかりあって、全員メインダンサーって感じでした。
コルカーとダンサーの、互いの実力に対する信頼も感じました。
是非また来日してほしいです、早めに!

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