NHK音楽祭2007のドレスデン国立歌劇場管弦楽団の演奏を聴いてきた。この秋から音楽総監督に就任したファビオ・ルイージ指揮。
【指揮】ファビオ・ルイージ
【ソプラノ】エヴリン・ヘルリツィウス
【テノール】ヴォルフガング・シュミット
【バリトン】ハンス=ヨアヒム・ケテルセン
【バ ス】クルト・リドル
【曲目】
ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
ワーグナー/歌場「さまよえるオランダ人」から“外国のお客を迎えてくれ”
ウェーバー/歌劇「オイリアンテ」序曲
R.シュトラウス/歌劇「ダナエの愛」から“第3幕への前奏曲”“第3幕フィナーレ”
ワーグナー /楽劇「ワルキューレ」第1幕
クラシック門外漢だがバレエに行った時NHK音楽祭2007のチラシをもらって、今回たまたまテーマが「華麗なるオペラ・バレエ音楽の世界」だったから興味を持った。日程的に行けるのがシュターツカペレ・ドレスデンとマリインスキーで、すごく迷ったけどファビオ・ルイージの顔写真が気に入って(笑)こっちのチケットを取った。パリ管とマリインスキーはバレエ音楽でドレスデンはオペラだから、最近の私の嗜好からいったらマリインスキーを取りそうなものだけど。でも直感は間違っていなかったと思う、なんかずっしりと運命の出会いを感じた今宵。
イタリア人のルイージが選んだ曲目は端的にドイツ・オペラのルーツをあらわしている。同じ曲をiTSで行き当たりばったりに購入して、ここ数日診療の合間にがんがん聴いていた。これがなかなか気持ち良くて。中でも「ダナエの愛」が素敵だなあと期待していたら、本番は予想し得ないほど良かった。うねるような音の重なりが非日常的なバイブレーションを送ってきて、高揚感にさらわれる。数年前ルイージ指揮で全幕で演奏してかなり評判が良かったらしい、CDが欲しい。
『音楽を「考える」』(ISBN-10: 4480687602)で故江村哲二さんが、「クラシックのコンサートは一晩一千万くらいかかるから、19世紀の貴族社会で成立しても現代ではビジネス的に成り立つはずない」とおっしゃっていて、恐れ入ったことがある。今日メインのワルキューレ第1幕を鑑賞しながらしみじみ贅沢感を味わった。舞台いっぱいのオーケストラのごく一部しか使わないシーンが結構あって、さすがワーグナーと思った。オペラ歌手はほとんど人間兵器だ。ルイージとオケに集中するつもりがラストはシュミットとヘルリツィウスに持っていかれた。兄妹で高らかに愛を謳い上げるあのシーン、演奏も尋常じゃなかったけど。冒頭の嵐のシーンの緊迫感及びカッコ良さと合わせて、記憶に焼き付いた。