京都国立博物館で開催中の狩野永徳展に行ってきた。10/16-11/18と会期が短く開催初日から激混みという噂だったが、京博向かいのホテルで一泊して英気を養い開館30分前には並ぶ、という作戦。作戦を立てたのは友人のさちえさんですが。ま、それでも入場制限は受けたがせいぜい30分待ちで、結構快適に鑑賞できた。
6部構成、簡単にまとめると
「墨を極める」
1室の左右の壁にばーんと国宝の《琴棋書画図襖》と《花鳥図襖》が鎮座していて、いきなり圧倒された。「入館したらまっすぐ《洛中洛外図屏風》の前に行く」という指令(笑)が出ていたので足早に通り過ぎたがその印象は強烈で、後から何度もこの部屋に立ち返り見入った。特に《花鳥図》の右側の梅の巨木にみなぎる力強さと華やかさ、妖しさに酔う。今回のマイベスト。墨画が好きなのだ。図録のアップが堪らない。《柿本人麻呂像》の見事な人物描写にも感心。人物と言えば《許由巣父図》の許由と巣父の衣の線も尋常じゃあない切れがある。巧い...。
「永徳と扇面画」
ここは中央の棚が人の流れを鈍くしていて、身動き取りにくい。小学校低学年くらいの可愛い女の子がふたり手をつないで鑑賞に来ていて、「ここは無理だから行こう」と片方が言ったら、「だめ、ちゃんと見るの!」をもう片方が返すのが微笑ましい。にやにやしながら見守っていたらばちっと目が合ってしまって、変なやつだと思われただろうか。実は私はスルーした。
「為政者たちのはざまで」
断然大徳寺の《織田信長像》。あの張りつめた空気感。時代を超えて信長を見たと思った。
「時代の息づかい—風俗画—」
《洛中洛外図屏風》、かなり大きいので離れて見ても単眼鏡で見ても飽きない逸品。はじめに飛び込んだ時は「早く見ておかなきゃ」とあせってわたわたと眺めたが、他を回ってからまた戻ってきて最前列にもぐり込んでじっくり観た。京博の誘導はおっとりしているので、ギャラリーの動きもゆっくり。Takさんに頂いた「金いろの雲」という文章でイメージを掴んでいたので、細部にとらわれずに楽しめたと思う。
「桃山の華—金碧障屏画—」
メトロポリタン美術館が持っている《四季花鳥図屏風》(狩野派)はなんかその所蔵に納得。ちょっとどぎつい。
「壮大なる金碧大画」
私は《唐獅子図屏風》を見て永徳は天才だと思った。時の権力者に迫られて無理矢理だったのだろうけど、「こんなのあり?」という新しいジャンルを創り出してしまった感じ。破壊と創造と言うか。日本画の歴史を知らないのでわからないが、こんな描き方ってそれまであったのだろうか。
ずぼらな私は雑誌等による事前の予習を怠り、先にレビューをアップされた皆さん↓のブログを頼りに鑑賞して参りました。大変お世話になりました。
あるYoginiの日常 特別展「狩野永徳」 京都国立博物館
Art & Bell by Tora : 狩野永徳 @京都国立博物館
弐代目・青い日記帳 | 特別展覧会「狩野永徳」
あお!ひー 狩野永徳展(京都国立美術館)
コメント (7)
こんばんは。
おかえりなさい。
で、記事書かれるの早すぎです!
TBいただいてびっくりしてしまいました。
投稿者: Tak | 2007年11月 4日 22:49
日時: 2007年11月 4日 22:49
こんばんわ。
TB&リンクありがとうございました。
唐獅子は圧倒されましたね。
あんなに大きなサイズとは思ってなかったので、衝撃でした。
投稿者: あおひー | 2007年11月 4日 23:53
日時: 2007年11月 4日 23:53
さちえさんとご一緒の鑑賞記、小学生との出会いのことなど楽しく読ませてもらいました。拙ブログを紹介していただき恐縮です。
投稿者: とら | 2007年11月 5日 09:15
日時: 2007年11月 5日 09:15
お疲れさま&どうもありがとう!
記事のアップが早くてビックリしましたよ。
わたしは昼休みを使って書き上げた所。
楽しかったです。
やっぱり見に行って良かった!!
投稿者: さちえ | 2007年11月 5日 14:16
日時: 2007年11月 5日 14:16
>Takさま
この度は本当にお世話になりました。もはやTakさん宅方面に足を向けて寝ることはできないと思っております。「記事早い」ってTakさんのコメントも早かったですね!承認は遅れましたがちょうどお礼のメールをしたためようとするところにコメントが届いて、いたく感激いたしました。
>あおひーさま
あおひーさんの信長像の感想が面白かったです。「失敗は許されないみたいな」ってところです。うまいなあと思いました。唐獅子は有無を言わせぬ存在感でしたね。あんな怪物実在するわけないのに...。
>とらさま
毎度のことですがとらさんのエントリを頼りに鑑賞して参りました。よく考えたら小学生は「ちゃんと」じゃなくて「しっかり見るの!」と言っていたように思います。どっちでもいいのですが。アートを愛する同士です。
>さちえサマ
色々ご面倒をおかけしました。ホテルのパンの美味しさが印象的です。じゃなくて、数々の名品を間近に見ることが出来て良かったですねー。東京で見るより味わい深かったかもしれません。
投稿者: ogawama | 2007年11月 5日 23:21
日時: 2007年11月 5日 23:21
ogawamaさんこんばんは。展覧会もいよいよ今週末までですね。本当はもう一度見たいですが…。
>時代を超えて信長を見たと思った。
全く同感です。体つきからして細いラインですが、これほど威圧感を覚える作品もないと思いました。
>私は《唐獅子図屏風》を見て永徳は天才だと思った。時の権力者に迫られて無理矢理だったのだろうけど、「こんなのあり?」という新しいジャンル
あの大きさからして凄いですよね。そもそもあれほどの高さのある屏風自体を見たことがありません。まさに空前絶後の作品です。
3年後の等伯も楽しみですね!
投稿者: はろるど | 2007年11月16日 22:51
日時: 2007年11月16日 22:51
>はろるどさん
この素晴らしい展覧会に行くことができて、本当に良かったです。
もう一度...確かに...。うわー、明日新幹線に飛び乗っちゃいそうです!(ないない)
はろるどさんのレビュー、素晴らしかったです。いつもはてなブックマークを利用しているのですが、特に読み返したいエントリとしてGoogl Readerのアートタグにも格納させて頂きました(自己満足)。
私は信長ファンで彼が出てくる小説をかなり読んでいます。永徳の信長を見て「本物だー」と思いました。むしろ幾千の言葉より、端的に信長の人格をあらわしているかもしれません。
唐獅子はもう・・・。ショッキングですよね。
投稿者: ogawama | 2007年11月17日 08:52
日時: 2007年11月17日 08:52