オーチャードホールでアラン・プラテルバレエ団の聖母マリアの祈り vsprsを観てきた。ベルギーのコンテンポラリー・バレエカンパニー。私の舞台ライフの大先輩である球面三角さんとひらづみさんがすでに鑑賞レビューをアップされていたので、これを読み多いに期待を高めて出かけた。
いやあ刺激的でした。バレエ団と触れ込んでいるけど、あれはバレエと言うより芝居や現代オペラに近い。舞台上に室内楽団とソプラノ歌手が構えていて、モンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』のジャズふうアレンジを生演奏。これだけで行った甲斐があると言える素敵なライブだ。歌姫マリーベス・ディグルは2006年にアムステルダムの音楽院を卒業したばかりの若手だそうだが、素晴らしい声だった。ドラマチックな表情ができるし。途中壇上から降りてダンサー達に手を差し伸べる。何と一緒に踊ったりもする。彼女の存在と言うか使い方がこの舞台のキモだったのではないか。
ダンサー達も良かった。女性4名男性6名。ひとりひとりとても個性のあるルックスで、私は何と最前列の席だったので表情とかつぶさに見れた。振付けは...痙攣。精神医学者ゲフッテン博士の制作した難病患者の映像に影響を受けているとか。ダンサーによって痙攣の仕方が微妙に違うんだけど、みんな手を抜かない。私が好きだったダンサーは、まず緑のトップを着ていたメラニー・ロモフ。前半群舞ではなんか目の大きい拒食症患者的に細いダンサーがいるなあと思っていたのだが、ブラジル人ダンサーとのデュオでその繊細な動きに目が釘付けになった。柔軟性がすごい。動きやラインが抜群に柔らかい。あの後彼女が舞台に上がる度に目がそっちを追ってしまった。あと開幕2番目に出て来たスーツ姿のロス・マコーマック。小柄で俳優っぽい顔立ち。プログラムを見ると「ラグビー選手や工事作業員を経て2001年ニュージーランド・スクール・オブ・ダンスを卒業」とある。動きが細かく正確で(痙攣が一番巧かった気がする)、しかも多彩なイメージを見せる人。展開の変わるシーンで出てくることが多かったので、重要なポジションにいるのかなと思った。クワン・ブィ・ニョックは濃い顔立ちとしなやかな体のラインに恵まれたベトナム人ダンサー。リズム感が悪いような気がしたが、跳躍が美しい。ひとり何度も衣装の一部を替えて舞台内外を駆け回っていたアイオナ・キューニィはサーカス経験のあるイギリスのストリート・パフォーマーだそうで、同じくサーカス系のフランス人ダンサーとの「逆立ちデュオ」は実に見応えがあった。
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古楽アンサンブル他の室内楽団と共演したジャズトリオ、Aka Moonのリーダーが今回の音楽担当。「VSPRS」のCDは買ったのだが、こっちにも惹かれるのでCD買ってみようと思う。
コメント (2)
こんばんは。
本当に一人一人が個性的なダンサーたちでしたね。
プログラムでダンサーたちの経歴を読むのもとても面白かったです。国籍はもちろん、職業やジャンルも様々。アラン・プラテルがどこを評価して入団させたのかなども書かれていて、読み応えがありました。
緑のトップの女性は私もとても印象に残りました。逆立ちの小柄な女性もとても好かった。あと、アジア系の2人のシーンも好かったな~。
「VSPRS」のCD、買いそびれました…。失敗した。
主催のサイトで販売してくれるのを待とうかなと思っています。
投稿者: uno | 2007年5月21日 00:51
日時: 2007年5月21日 00:51
>unoさん
プログラム、読み応えありますね。
各ダンサーの個性や身体言語が違っても、「痙攣」という動きで作品に統一感を与えているとあって、そうか!と思いました。
音楽面でも、異質のミュージシャン達の合意点をつくる過程が容易ではなかったとあって、舞台ではすごくまとまって見えたのでびっくりしました。
「VSPRS」のCD、今朝通勤中に聴いていたら妙な気持ちになりました...。
投稿者: ogawama | 2007年5月21日 22:49
日時: 2007年5月21日 22:49