2010/02/07(日)
マニュエル・ルグリの新しき世界 Aプロ 2/3 [ ballet&dance&play... ]
ゆうぽうとホールで「マニュエル・ルグリの新しき世界 ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション」を観てきた。
ロビンズ、ノイマイヤー、キリアン、ベジャール…あらゆるスタイルのダンスを最高の形で表現し、巨匠振付家たちを魅了してきたルグリが、今、同世代の気鋭振付家に注目しています。パトリック・ド・バナ。ベジャール、ナチョ・ドゥアトらの薫陶を受け、欧州各地で活躍の場を広げている彼と、ルグリ、そして東京バレエ団との夢のコラボレーションが実現します!
新興バレエファンである私は、生ルグリを数える程しか見たことない。おととし東京バレエ団と「ジゼル」を踊った時など、もうすぐ引退のエトワールだし、ちょっとお疲れかな〜なんて失礼なことを思った(この時は不調だったらしく、続く大阪公演を怪我で降板した)。でも映像で見るルグリはこの上なく立派な、ノーブルな、エレガントな、成熟した、非の打ち所のないダンサー。コレなんて、もう世界最高峰のロミオでした。
で、期待は裏切られなかった。ルグリ本人のパフォーマンスだけでなく、舞台全体が出色の出来だったのだ。あんなに輝いている東京バレエ団を見るのははじめて。
「クリアチュア Creatures」(日本初演)
音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ
出演:オレリー・デュポン、フリーデマン・フォーゲル
奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、河谷まりあ
長瀬直義、井上良太、柄本弾、杉山優一、森川茉央
「ザ・ピクチャー・オブ・・・ The Picture of..」
音楽:ヘンリー・パーセル
出演:マニュエル・ルグリ Manuel Legris
誉めておいてアレだけど、すごい睡眠不足だったのでこの2演目は半分くらい朦朧としてた(汗)。シンプルで綺麗な舞台だったんだけど、それが心地よすぎたと言うか...。オレリーはバレエフェスで見た時のように重たい感じがなく、可愛らしい。映画「パリ・オペラ座のすべて」で芸監のルフェーブルがエトワールを指して「彼女たちはスーパーカーよ」なんて言ってたのを思い出したけど、そういうイメージを超越した、無垢で純真な雰囲気。この時すでにフォーゲルは首の怪我でBプロの「アザー・ダンス」降板が決まっていたのだけど、故障を感じさせない動きだった。体は十分張りがあって、逞しかった。
ルグリのダンスも気持ち良過ぎ!うっとりを通り越して、うとうと・・・(笑)。
「ホワイト・シャドウ White Shadows」 (世界初演)
音楽:アルマン・アマー
照明:高沢立生
装置:野村真紀
衣裳:髙井秀樹(stödja)
出演:マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ Patrick de Bana
吉岡美佳、上野水香、西村真由美
松下裕次、氷室友、小笠原亮、宮本祐宜、岡崎隼也、高木綾、奈良春夏、川島麻実子
梅澤紘貴、青木淳一、井上良太、杉山優一、中村祐司、吉川留衣、河合眞里、矢島まい、渡辺理恵、河谷まりあ
ルグリとバナが東京バレエ団のために作ってくれた作品。ですよね。素晴らしかった。音楽だけでなく衣装や照明もスタイリッシュで神秘的、想像をかき立て、身を乗り出させる。1時間ほどの舞台の間、固唾を飲んでステージを見つめ続けた。気の散りやすい私が。メインはルグリと西村さん、バナと水野さんのペアにほとんどソロで動く吉岡さん。ルグリとバナは同じ振付けを踊ってもまわりの空気が違って見える。ルグリの動きは完璧で綺麗に音楽の一部と化すけど、バナは音楽の中から腕をのばして世界をかき回す感じ。バナの方がちょい顔が大きいので、存在感があるな。バナの振付けだし。でもルグリ、破綻のないエレガントさが身上と思っていたけど。コンテンポラリーの、バレエのお約束を飛び越えた刹那的なムーブメントにちゃんと乗っている。と言うかルグリがムーブを作り出しているように見える。伊達にパリ・オペのエトワールじゃなかったんだなあと、感心する。むしろ引退して幅が出てきたのだろうか。クライマックスのルグリとバナのデュオだけ、濃すぎるのか息苦しさを感じた。
しかしこの舞台の中心は吉岡さんだった。すごいねー、彼女。ジゼルの憑依ぶりは怖いくらいだったけど、この演目ではその集中力、そしてタフさが輝いていた。吉岡さんだけほとんど舞台を降りない。舞台の後ろで、隅っこで、何かに取り憑かれたように虚空を見つめて蠢いている。永遠の彷徨。ふつうに踊ってもまた良し。テクニックも持っているから。ありがちな、バレリーナ臭がない。女性のコンテ・ダンサーも時々見ているけど、比較しても彼女ピカ一。まあ、この演目に限って言えば。この人は日本の女性ダンサーの中で、一番かもしれないと思った自分にびっくりだ。振付けに恵まれれば、今以上にデキる人なのでは。
というわけで、細かいことは割愛するけど、今までに見てきた東京バレエ団の公演の中で最も優れた作品だったと、個人的には思う。ルグリはクリエーター(プロデューサーか)としての能力も素晴らしい。
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2010/02/05(金)
超おすすめ [ life ]
なんだかダレていて文章を書く気力は出ないんだけど、ブログはupしたい気分。唐突だけどネットで買っているお気に入り美容商品をご紹介してみる。
ソニプラの人気商品。水で洗顔すると肌が乾燥すると聞いているので、クレンジングはこれ1本で済ませてる。なんかねえ、タオルに洗剤が残っているかもと思うと、タオルで顔拭くのも嫌なんですよね。マスカラもコレで落とすが、全然目にしみない。あまりに気に入っているので、ひょっとしたら死ぬまで使うかもしれない。
Amazonで見つけて、もう5セット以上リピートしていると思う。基礎化粧品はこれだけ。「無水ヒアルロン酸ミクロ球体100%をそのまま製品化したエイジングケア美容液」「効果のピークは使用後約6時間後」というすごい能書きだけど、無精でしょっちゅう生活必需品を切らしてしまう私にとっては、2本で済むというのが何よりありがたい。
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2010/02/04(木)
白金アートコンプレックス [ art ]
某ブログの魅力的な写真に惹かれて、白金のアートビルを久々に訪れた。あれれ?何かギャラリーが増えてる。後で調べて知ったのだけど、去年の4月に従来の「児玉画廊」「山本現代」に「NANZUKA UNDERGROUND」、杉本博司氏の「新素材研究所」と「榊田倫之建築設計事務所」、「London Gallery」が加わって、白金アートコンプレックスとしてグランドオープンしてたのだ。うーん高橋コレクション移転後も訪れていたような気はするんだけど、気づかなかった。取りあえず1Fの児玉画廊さんから、お邪魔しま〜す。
・児玉画廊コレクション ignore your perspective 9(2/13マデ)
たくさんの濃厚な抽象画が、真っ白な画廊の中にところ狭しと溢れてる。油絵具の上にスライムみたいなのがべたっとついていたり「ひも」がはり巡らされていたり。マチエールが摩訶不思議。画廊全体が別世界。今時のファインアート。このギャラリーが扱うような油彩に対する鑑識眼は、私にはまだなさそう。
・NANZUKA UNDERGROUND
渋谷にあった頃入ったことがある。ここもグループ展やっていたのだが(2/6マデ)、撮影中だったので遠慮した。横山裕一さん、G-tokyoでちょっと注目したなあと後から後悔したけど。
・山本現代「大竹司 ビニル」(2/6マデ)
実はこちらが目当てだったんだけど、実物を見るとイメージよりポップと言うか、アニメふうだった。動物モチーフが多くて、独特の世界観。まあ欲しいタイプではありませんでした。
・ロンドンギャラリー
ここ!ブログに書きたかったところ!素敵だった〜♪ いやエレベータを降りたらいきなりガンダーラ仏が目に入って、反射的に「古美術だ!場違いっ」と思ったんだけど。ギャラリーの女性が可愛くて感じ良くて、優しく中に導き入れてくださった。広々としているので、カバンをぶつけるとか心配せずにゆったり鑑賞。すごーく立派で大きな仏像がいくつもあって、一体おいくらなんだろうなんて、うっかり聞くこともできない。屏風(もしかして等伯?)やら掛け軸やら工芸品も。ハイソな雰囲気に圧倒されてぺこぺこ頭を下げながら退出しようとすると、「あの掛軸は杉本博司さんのものなんですよ」となんて教えてくださる。え?若い頃に撮られた華厳の滝の写真を額装されたとかで、渋い。売っていらっしゃるんですかと尋ねると、「こちらにある作品は値段の付けようのないものばかりで...」と説明され、あらためて恐縮。小品の販売は西麻布のギャラリーの方で行っているそうで、ここはビューイング・ルームとか。更に内装を杉本氏が手がけられたと聞いて、ギャラリー小柳での氏の個展を思い出す。そう言えば、この綺麗なギャラリーの写真、見たなあ。ああ素敵・・・。帰りは階段を使おうと思ったが「セキュリティのためエレベータのみ」と言われ、だよねーとまたまた小さくなって頭を下げながら出てきた。でもいい思いをした。美しいものにふれて、大変よい気分。
帰り道、「花ほうろ」という盆栽やら花器やら備前焼きの器を扱う店に立ち寄り、更にご機嫌。ミニ盆栽が手頃なお値段だった。白金って楽しい♪
全然関係ないのですが、同じ日に行った四谷のフクナガフルーツパーラーの季節限定いちごパフェ。美味。限定って言っても苺の季節は割と長いので、3月までいただけるそう。この週末から13日まで、改装のため休業されるとのこと。
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2010/02/02(火)
川端龍子名作展 龍子と建築~描いたものと建てたもの [ art ]
大森の龍子記念館で「川端龍子名作展 龍子と建築~描いたものと建てたもの」を観てきた(1/31デ終了)。この記念館は建築好きの龍子自ら設計した私設美術館だったが、平成3年より大田区の施設に。隣接する龍子の居宅跡地も公園として保存され、日に3回見学ツアーを行っている。龍子の作品をまとめて見るのははじめて、もちろん龍子記念館も初訪だったが、今まで遠い存在だったこの日本画の巨匠を身近に感じることができて、とてもいい時間を過ごすことができた。
龍子と言えば大作主義の作家だが、本展では《龍子垣》《海洋を制するもの》のような巨大な作品だけでなく、建築スケッチ風の小品も多く出展されていた。これが巧い。走り書きしているようで、自分の捉えた印象をしっかり形にしているのが一目でわかる。《水車》など、地味なのになぜかはっとする造型。大変記憶力に優れたひとだったらしいのでこれは単なる写実ではなく、龍子の眼というフィルターが作品に力を与えているのだろう。例えばこの《稲妻》、三重塔が非常に精密に描かれているが、カクカクっとした稲妻と鋭い雨の線が画に緊迫感を与えていて、背筋がのびる。
《日々日蝕》という作品は古びた家とビルが描かれた作品。地味〜な色合いながら押し出しの強さが感じられるのが不思議。ふと現代作家の大岩オスカールさんの初期の作品(北千住のアトリエで描かれていた頃)を思い出した。大岩氏も大作主義であり、下町の暗い色彩を通して揺るぎない生命力のようなものを感じさせた、ポジティブなアーティストだ。
こんな鮮やかな作品もある。この構図、前景にでーんと一番目立つ籐椅子が置かれて言葉は悪いが傍若無人な感じもするのだが、画家のプライベートな視線を共有しているような楽しさもあり。
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2010/02/01(月)
今月の舞台鑑賞予定 [ ballet&dance&play... ]
雪!が降ってます・・・
寒いからではなく、最近チケットは厳選して取っているので今月の舞台鑑賞予定はこれだけ。祭典枠のみ。
・2/3 マニュエル・ルグリの新しい世界Aプロ
・2/7 マニュエル・ルグリの新しい世界Bプロ
・2/28 東京バレエ団「シルヴィア」セミオノワ&ゴメス
昨夜はネットでローザンヌ国際バレエコンクールのfinal中継をつらつら見ていたので、すっかり寝不足。でもブログ書きながらだったので、あとでこっちを。
DVDレコーダーを買った。長い間TVから離れて生活してたので、どうやって見るのかすらわからないけど、て言うか録っても溜めておくだけって気がするけど。なんか人並みのバレエファンになれた気がする。
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2010/01/31(日)
G-tokyo 2010 [ art ]
森アーツセンターギャラリーで開催されていたG-tokyo 2010に行った(1/30,31)。現代アートのアートフェアだ。最近多いけど、今回のは出展ギャラリーが有名どころばかりで、「弐代目・青い日記帳」「What's up, Luke?」の内覧会記事で質の高さは確認済み。て言うか「見るだけ」アートファンには過ぎたる内容。入場料1,000円で、総額いくらのアート作品を拝見したのやら。計算するのがコワイです。
アートフェア入場に先立って、トークセッション「アートと建築:今わたしたちが表現したいこと」に参加。アカデミーヒルズ内のスタジオで行われた、第三部 石上純也(建築家)×名和晃平(アーティスト)の回。50分ほどの短いセッションだったが、名和さんの「口調はおっとりしてるけど切れ味抜群」のトークに興奮する。今まで何度も作品のコンセプトを語られるシーンに遭遇しているのだが、その都度驚きがある。活動をはじめて10年、去年のL_B_Sは節目の個展だったというお話を聞いて、大いなる予感に胸が震えたりして。質問コーナーでのコンセプトをクリアにするためビーズの透明性にこだわるというコメント、それ自体の明快さに唸った。
さて展覧会。すべて新作と聞いているので期待大。参加ギャラリーは
アラタニウラノ
ギャラリー小柳
ギャラリーSIDE2
ヒロミヨシイ
ケンジタキギャラリー
児玉画廊
小山登美夫ギャラリー
ミヅマアートギャラリー
オオタファインアーツ
SCAI THE BATHHOUSE
シュウゴアーツ
タカ・イシイギャラリー
TARO NASU
ワコウ・ワークス・オブ・アート
山本現代
名和さん贔屓で言うわけじゃないが、スカイの展示が一番好み。「テクスチャーと光」というタイトルで、藤井秀全さんのLEDを用いた作品が綺麗。他、カプーア、宮島達男、嵯峨篤志、神馬啓佑。名和さんの金の観音様PixCellビーズはゴージャスでした。グルーガンドローイングは余白が印象的。
ミヅマは山口晃さん個展「柱華道」。大変な人気。あんなにたくさんの新作、身を削られて描かれたのではと心配になってしまうほど。完売ですって...。ご本人が腰を低くして販売本にサインされていた。ワコウ・ワークス・オブ・アートのリヒターが素敵。意外とめったに行かない(というか移転後行ったことない)TARO NASUに惹かれる作品が。ギャラリー小柳のエリアソン、金沢に行く予定がないだけにしげしげと見てしまう。メカっぽい。
既知の作家が多いながら、ふだんなかなかギャラリー巡りできないので、鑑賞効率のよいアートフェアだった。Twitterでは「つまらない」という発言が結構あったけど、ギャラリー側のターゲットは私のような庶民じゃないので、黙って見せてもらえるだけラッキーと個人的には思っている。
さて今日のブランチ@Roy's東京バー&グリル 。
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2010/01/28(木)
最近行った美術展 [ art , diary ]
舞台鑑賞エントリが続いてしまったので、アート関係をふり返る。
えーと先週は大森の川端龍子記念館にも行った。初訪。「龍子と建築~描いたものと建てたもの」と題した展示をやっていて、なぜか大岩オスカールを思い出したことなどブログに書こうと思っていたのだが、まだ下書きのまま。
日曜はさいたま芸術劇場に行く前に鎌倉突撃という無茶。「内藤礼ーすべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」見ました!根性で、最終日に。う〜ん気持ちがあせっていたせいか全然ひたれなかったなあ・・・。ドアを開けた瞬間「あ・素敵」と思ってそれで終わりだった。
昨日は国立新美術館の「ルノワール―伝統と革新」展に行った。10:30頃入館したけどすでに結構な混雑。ひとつの絵の前に5〜10人が並ぶ感じで、でもハコが大きいので息苦しい感じはなく楽しくルノワールを味わった。やっぱり《団扇を持つ若い女》が綺麗だったな。《縫い物をする若い女》も好き。よそではあまり見ない静物画もあって、おだやかで素敵だった。東京国立近代美術館の「ウィリアム・ケントリッジ——歩きながら歴史を考える そして ...」も行ったけど、2006年森美術館で開催された「アフリカ・リミックス」展で見た時のようなインパクトはもうなかった。当たり前か。まあ森美で見たのは21世紀以前の作品で、彼のその後を知ることができて有意義だった。基本的に好きなタイプだし。
ということで、この写真は神保町のボンディ(本店じゃない方)の野菜カレー。古本屋巡りのあと。地元のデリーよりルーが全然美味しい。当社比。野菜の火の通り加減もよろしいし、ご機嫌。Twitterでの質問にお答えしてませんでしたが、相変わらずふかしたジャガイモがついてきます。これも好き。メニューにも載っているので追加可能。でも食べ切れないですよね。
だってデザートも必要だし。
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2010/01/27(水)
「私が踊るとき」珍しいキノコ舞踊団 1/22 [ ballet&dance&play... ]
世田谷パブリックシアターで待望の「珍しいキノコ舞踊団」の公演「私が踊るとき」を観た(1/22-25)。乗越たかおセンセイの本で度々紹介されいていて、すごく興味のあるダンス・カンパニーだったんだけど、なかなか見る機会がなかった。2年ぶりの新作だそうですね。なるほど。
振付・構成・演出:伊藤千枝
演出補:小山洋子
出演:山田郷美・篠崎芽美・茶木真由美・中川麻央・梶原未由・伊藤千枝
このカンパニーは日本大学芸術学部に在籍していた伊藤千枝さん、小山洋子さんに山下三味子さんが加わって、1990年にに結成されたそう。乗越センセイの名著「コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER」によれば「次第に盛り上がってきた新しいダンスの波......〈H・アール・カオス〉、〈レニ・バッソ〉、〈山崎広太〉らの中でも、彼女たちは異彩を放っていた」とか。えっ、どんなふうに?
上記の本の170〜173ページあたりに乗越センセイの鋭い評が載っているので、興味ある方は買って読まれること(ど〜してもというお友達にはお貸しします)。私は今回の公演を無邪気に楽しんじゃったので、考察ぽい感想は一切なし。とにかく可愛かった。ポップでキュートだった。TwitterのTLも一部そんな感じで盛り上がっていた。
意外だったのは、みなさんかなり「踊れそう」なこと。幕開けは伊藤さん以外のダンサーが舞台で様々な(ダンスっぽい)ポーズをとって、マネキンのように静止していた。かなり長いこと。気づいたらじりじりと動いていて、いつの間にか体勢が変わっていたんだけど、ああいう演技はプロのダンサーでないと無理。衣装はめちゃキュートだけどなかなかハードな振付けだなあと見ていた。展開はめまぐるしくて、シーンもセットもどんどん変わる。懐かしめの曲を使うのは、井手茂太さんに似てるかな。セットも音楽も振付けも愛を語る設定なのにガールズトークを繰り広げるシーンは笑った(キノコじゃ安定した生活はのぞめないのね)。2パターンの一組目がとてもうまかった。クラシック・バレエの音楽も使っていて、そういう時の振りはちょっとお澄まししてる感じ。みんなよく踊っていて、ダンサー6人には見えなかった。倍くらいいるような気がした。
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2010/01/26(火)
ブベニチェクとドレスデン国立歌劇場バレエ団の俊英たち 1/24 [ ballet&dance&play... ]
さいたま芸術劇場で「ブベニチェクとドレスデン国立歌劇場バレエ団の俊英たち」という現代バレエの公演を観た。
ノイマイヤー、キリアン、フォーサイスに続く次代の振付家イリ・ブベニチェクと注目の新生ドレスデン国立歌劇場バレエ団選抜ダンサーが集結。
若手のやる気満々が伝わってくるいい公演だった。ドレスデンのダンサーなんて、こういう機会でもないとなかなか見られないのでは。
イリ・ブベニチェクはドレスデン国立歌劇場バレエ団のプリンシパルで若手振付家としても活躍。NYCB、チューリッヒ・バレエ、ハンブルク・バレエなどに作品を提供している。彼のことはエトワール・ガラ2008 Aプロで見てた(Bプロは行けなくて、今回の3演目目の一部である「カノン」は見られなかった)。元々はハンブルク・バレエで双子のオットーと共にプリンシパルをつとめていた。オットーは今もハンブルクに在籍、来日公演の「人魚姫」で海の魔法使いを演じたのを見てる。作曲家でもある。才色兼備の兄弟だ。貴族的な顔立ちと厚みのある強靭な肉体、切れのある動き。ヨーロッパのダンサーらしく、個性がはっきりしてて魅力的。
本日の演目は3つ。「辿り着かない場所 」は振付けがシャープで最初は息をのんで見守っていたけど、音楽が抽象的で反復的な動きが多く、後半は集中力が途切れた。「ステップテクスト」はさすがフォーサイス、4人のダンサーで舞台を完全に掌握していて美しい出来映えだが、初演は84年だからどこか新鮮味に欠ける。女性ダンサーがポワントなのも、何となく古い。エレナ・ヴォストロティナは柔軟で素晴らしかったけど。ところで彼女、髪型で損してない?美人なのにそう見えない。秀逸だったのが「魂のため息」。バックに巨大なレオナルドの画の映像を使っているところがまずズルい。後ろにヨハネがいたら、だれだって妖しい気持ちになるでしょう。衣装は「ル・パルク」の解放のPDDみたいな白いブラウスだし(いやもっとシンプルだけど)音楽はバロックだし、髪の長い女性ダンサーは皆シニヨンに結っているから頭が小さく見えてとても綺麗だし、明るくて品が良い。同調しやすい振付け。イリとオットーのデュオが興味深かった。その他のダンサーも皆持ち味を出していていい感じ。特にイシュトヴァン・シモン君、やや長めのクルクルの髪や笑顔が天使のようで、滞空性のあるしなやかな動きが素敵!ファンになりそう。同じくコリフェのクラウディオ・カンジアロッシ君も可愛かったな。あとファースト・ソリストのカテリーナ・マルコフスカヤは小柄で小顔で可憐!浅見紘子さんもコリフェながら切るような動きを見せて、なかなか身体能力高そうで感心した。
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2010/01/25(月)
METライブビューイング「トゥーランドット」 [ ballet&dance&play... , music ]
正式にはThe Met ropolitan Opera HD LIVE MET LIVE VIEWING 2009-2010というが、東銀座の東劇でMETライブビューイング「トゥーランドット」を観た(1/22で上映終了)。
世界最高峰のオペラハウス、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)で行われている最新のオペラ公演が、世界各地の映画館へ配信され、お近くの映画館の巨大スクリーンで楽しめるという新しいエンターテインメント。全米とヨーロッパは現地と衛星同時中継!
ライブオペラといえばおととしはLivespire UKオペラ@シネマという企画でロイヤル・オペラ・ハウスで上演された「カルメン」を観た(感想)。この時は曲に対する予習は一切していかなかったけど、今回は違う。2週間ほど前から、短期集中で古い録音のCDを聴きこんでいた。もちろん全曲は無理なので、有名なアリアだけ。楽曲に耳が馴染んでいると、音を「追う」より「待つ」感じになって演技に集中しやすい。
Puccini: Turandot
Bonaldo Giaiotti 
ニルソン、コレッリ版
結局MET観賞後もこのCDを繰り返し聴いているので、歌声の印象は再上書きされてしまっているのだが、今でも豪華絢爛な舞台を見た充足感でいっぱい。
指揮:アンドリス・ネルソンス
演出:フランコ・ゼフィレッリ
出演:マリア・グレギーナ(トゥーランドット)、マリーナ・ポプラフスカヤ(リュー)、マルチェッロ・ジョルダーニ(カラフ)、サミュエル・レイミー(ティムール)他
演出のフランコ・ゼフィレッリは元ルキノ・ビスコンティの助監督で、近年はオペラの演出家として世界中で活躍しているという。新国立劇場の「アイーダ」も彼の演出とか。これは見たい。なにしろ、オペラはかくあるべしという期待を裏切らない、華やかで美麗な衣装や舞台装置で観客を魅了してくれる。私のお気に入りは2幕はじめのピン・ポン・パンの居室。エキゾチックな室内装飾が、細部にいたるまで美しく見事だった。宮殿の広場。面を被ったピン・ポン・パンの影武者のような3人組が、狂言回しとして踊りなどで活躍するのだが、皇帝に家臣に民衆と舞台に人が溢れかえっている中、彼らの赤をふんだんに使った派手な衣装が舞台のアクセントとなっていた。物量だけで迫ってくるのではなく、非常にアーティスティックな演出。
それにしても、「トゥーランドット」って実によくできた物語だと思う。トゥーランドットとリューの両極端なキャラ作りが功を奏している。トゥーランドットが頑なであればあるほど事態が絶望的に思えて、リューの犠牲が必然的なものに思える。リューが献身的であればあるほど彼女の死が重く受け止められ、あのラストに納得できるのだ。観客心理をばっちりつかんだ、シェイクスピア並みの巧さ。
MET出演の歌手はさすがだった。まだオペラを聞き慣れていないのでそうとしか言えないんだけど。アメリカ...オペラ...で思い出したこの小説を再読することにした。
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2010/01/24(日)
館蔵 茶道具取合せ展@五島美術館 [ art ]
五島美術館で開催中の「茶道具取合せ展」を観た(2/14マデ)。ビバ、初訪。
展示室に当館の茶室(古経楼・松寿庵・富士見亭)の床の間の原寸模型をしつらえ、館蔵の茶道具コレクションから約60点を選び展観する。茶匠の茶会記などを参考に道具の取合せを再現(会期中展示替あり)。
いいお茶碗がいくつか見られればいいなくらいに思っていたのだが、五徳やら灰器やら炉縁まで展示されているのを眺めていると茶道のいろはのい、くらいは会得できそうな気がしてくるから素人は怖い。慶太翁の蒐集は茶道具より書画・絵画が先行していたそうで、あちこちにさりげなく茶匠の消息が掛かっているのもかっこいい。《茶室起絵図》なる折畳める紙の茶室模型などもあり。地味に楽しい。
目を引くのは愛らしい香合。《桐鳳凰蒔絵螺鈿香合》、名前だけでその美しさ、わかりますよね。拡大鏡を通して見るちっちゃな鳳凰は私だけのモノ。離れがたい。《青貝布袋香合》もキラキラしてる。
茶碗はまだあんまり見たことのないのんこうもあってうれしいが、とにかくうっとりさせられたのは《光悦赤楽茶碗 銘 十王》
実物はもっとあかい。唇を寄せたくなるまろやかなラインと陶肌。シャープな腰つきの《光悦黒楽茶碗 銘 七里》とは雰囲気を異にする。井戸茶碗の良さは、わからない・・・。
さて、お庭にもデビュー。
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2010/01/21(木)
ボルゲーゼ美術館展 [ art ]
東京都美術館で開催中の「ボルゲーゼ美術館展」に行った(4/4マデ)。珍しく開催2日目の日曜の朝。この展覧会、目玉のラファエロ《一角獣を抱く貴婦人》のビジュアルがいい感じなので、結構混みそうな気がする。私の予想なんて全くあてにならないが。
イタリア・ローマ市北東部の広大なボルゲーゼ公園に位置するボルゲーゼ美術館。教皇・パウルス5世の甥であり、名門貴族であったボルゲーゼ家の枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ(1576-1633)は、17世紀を代表する大パトロンでした。彼が収集したコレクションを基礎としたボルゲーゼ家歴代のコレクションは、世界に名だたるルネサンス・バロック美術の宝庫といわれています。
この美術館のあたりって高級住宅地なんですってね。ボルゲーゼ家の末裔なんかもお住まいなのだろうか。16世紀に生まれたシピオーネ・ボルゲーゼ氏はこんな方。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ《シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の胸像》
この大理石の胸像、あまりに生き生きしているのでびっくりした。手を伸ばしてほっぺをぷにゅっとつまみたくなるような、リアルさ。会場に流れていた美術館の映像では数多くの彫刻が認められたが、本展では残念ながらこの1点。シピオーネ枢機卿は古代彫刻を多く収集していたとか。このベルニーニは、同時代の卿のお気に入り。もっと見たい〜。そそってくれます。
そう言えばヴィラ・ボルゲーゼを色々な方向から描いたエングレーヴィングが何点か出ていて、版画好き・建築好きの心もくすぐってくれる。この建物はシピオーネ卿のコレクションを展示するために建てられた大理石ずくめの「白亜の館」で、教皇庁の迎賓館としても使われたのだそうだ。現在美術館は国の管轄。入館は予約制だそうだが、いつか訪れてみたいもの。
所蔵品としてはベルニーニやカラヴァッジョの諸作品、ラファエロの《一角獣を抱く貴婦人》(1505-06年)や《キリストの埋葬》(1507年)、コレッジョの《ダナエ》(1530-31年)、ティツィアーノの《聖愛と俗愛》(1514年)などが名高いそう。《一角獣を抱く貴婦人》は作品自体よりあそこまで修復できたという技術に驚嘆した(詳細は京近美のサイトに)。今回私が釘付けになったのはこの画。
レオナルドが描いたとされているがオリジナルは現存せず、模写によりその存在が伝わる作品。真に迫った筆致で、本当によくできている。本物がないのに「よく」と言うのも変だけど、現物を是非。レダのやわらかな顔つきとか足下の草花や小鳥、拡大鏡で見るべし。萌えますよ〜。
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2010/01/19(火)
キャピタリズムとトータル・エクリプス、ついでにアバター [ ballet&dance&play... , cinema ]
最近忙しくてブログ書く時間がなかったので、まとめてメモ。
先週マイケル・ムーアの新作「キャピタリズム〜マネーは踊る〜(Capitalism:A Love Story)」をみた(公式サイト)(映画のサイトって重くて野暮)。前売り券をもらったから行ったんだけど、ネタが金融危機とかサブプライム問題とかなのでついて行けるかなーと思っていたのに反して、とてもわかりやすくて面白かった。ムーアの訴えが素直にストレートに伝わってくる。これはすごく大事なこと。過激な監督と聞いていたけどとんでもない、老練な人じゃないかと思った。画面にしゃしゃり出てきて自分の父親と語らうわ、突撃インタビューはもちろん大企業のCEOを市民逮捕しようとするわ、型やぶりではあるがそれはすでに彼の作風。彼の他の映画はみたことないのですが。お約束というのは新鮮味はないけど悪くないものである。それにしても食糧補助券を受給しなければならないほどパイロットの年俸が安いとは・・・アメリカ・・・。若者はすでに社会主義を知らず、選挙戦でオバマを社会主義者呼ばわりしても支持率低下につながらなかったというくだりなども面白かった。それって単なる世情だけど、そういうエピソードの組み合わせ方で映画が生きてくるわけで、ムーアのセンスの良さがあらわれている部分だ。
翌日みたのが横浜美術館で開催中の束芋展の企画、「トータル・エクリプス」。束芋さんが下北でみて、非常に影響を受けたという芝居の再演。
豊田商事会長刺殺事件をモチーフに作り上げられた呪術的会話劇。
と言われるとぞくぞくするが、実は先だってあったダンス公演の単独チケットが取れなかったので仕方なくダンス・演劇・展覧会のセット券を買っただけ。まあ後からこの公演の日限定で束芋さんの新作映像が見られると聞いて小躍りしたのだが、ダンスの時のように舞台背景に映像が投影されるわけではなく、ホワイエで流すので見ておいてくださいねーという形式だった。はじめに芝居ありきなので幕中に束芋さんの世界が隠れているわけではなく、束芋さんが共感を憶えた部分を探す、という感覚で舞台鑑賞。んー、多分具体的なイメージではなく、演出手法が興味深かったのはないかしら。marcoさんのおっしゃるように俳優の滑舌が悪く台詞が聴き取れないところがあったのはしょぼかったが、大阪弁の響きの強さやひとりの役者の中でするすると入れ替わる役柄(演出者いわくレイヤー)や時折見られるスローな群舞のようなパフォーマンスは刺激的だった。1時間という短さの割に最後の方は飽きてしまったけど。個人的には前日に見た「キャピタリズム」がアメリカの、この芝居が日本の資本主義(拝金主義)をシニカルに描いているという偶然を楽しんだ。舞台の真ん中に赤いドアが設えてあるところで去年のマリインスキー・バレエの「イワンと仔馬」を思い出したり。ま、あんまり集中していなかったわけだ。
映画と言えば話題の「アバター」は年末3Dで観た。先鋭的なSFかと思っていたら単なるスペース・ファンタジーだったのでちょっとつんのめったが、映像の素晴らしさは空前絶後。惑星パンドラの植物や動物のキャラクターデザインが素晴らしく、古川日出男さんの小説「13」を思い出させる鮮やかさだった。あれは一見の価値あり。
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2010/01/17(日)
日本・ポルトガル 修好150周年記念 没後50年 北大路魯山人展 [ art ]
日本橋タカシマヤで開催中の「没後50年 北大路魯山人展」を見てきた(1/18マデ)。魯山人の器は結構どこの美術館でも見るような気がするし(何必館が印象的)、この本を読んでから個人的に魯山人を「焼くことで焼きものを研究した人」という思いこみがあって(いや星岡茶寮で使うためにがんがん焼いたのだろうけど)、
魯山人陶説 (中公文庫)
平野 雅章 
この展覧会はまあどっちでもいいなあと思っていたのだが、たまたま時間が空いて行ってみたら非常に楽しかった。30分もいられなかったので図録を買っちゃったが、まあ2,300円でプチ作品集を買ったと思えば安い。
入館してすぐに青磁があったので「え」と思った。本当に何でも焼いちゃう人だ。でもそれより「おっ」と思ったのが濡額とか看板。
木彫りの素朴さと書体の面白さが調和してる。欲しい。書の展示にも注目してみると、何て言うか勢いがあって芯が通った、でも遊びもある立派なものだった。
これ、可愛くてしびれた。織部の暗い緑釉が私は好きでないのだが、このくらいならいい。土の味わいと絵付けの邪気のなさ、そして魯山人の手ののぬくもりをそのまま感じられるような造型が好ましい。ネタ元の本が手元にないのでうろ覚えだが、魯山人は名だたる陶工と一緒に備前か何かを焼いた時、轆轤なしの手びねりで見事な皿をつくって見せて皆に影響を与えたと読んだことがある。センスを感じる。こんな器があったら、毎日のごはんが楽しいだろう。
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2010/01/14(木)
むかし・あけぼの ー小説枕草子ー / 田辺聖子 [ book ]
最近夢中になって読んでいた本がある。ページを開くとぴたっと目が吸い寄せられて、もうまわりの音も何も意識から遮断されて甘美な世界にtripできる、極上の小説。もったいないのでちびちび読んでいたのだが、一昨日ついに読み終えてしまった。あの「枕草子」を小説化した、「むかし・あけぼの」。今まで全く興味がなかった作家なのだけど、田辺聖子の筆力はすごい。
そもそもこの本を手に取ったのは、友人の勧めによる。平安文学を読めば古美術に親しみやすくなるし、なにより私向きだよ〜と渡された。持つべきものは友。元々、源氏物語の香の匂いにむせ返るような雅の世界が好きだったので、宮廷社会の描写には興味津々だったのだが、私を引っぱりこんだのは田辺聖子の文章力。とらえどころのない散文体である枕草子をある程度時系列で並べ直して、清少納言の歌集から適当な和歌を抜粋して織り込み、これを非常に平易な文体で軽妙にまとめあげている。古典の再構築。「則光ったら」というような口語ではじまる小説冒頭を読んだ時はどんな展開になるのかと思ったが、いや〜、原作の風雅さはまったく損なわれていない。逆に千年前の平安女性の生き生きとした感性がストレートに伝わってくる。びっくりした。田辺聖子と言えば「芋たこなんきん」の、くらいで小説家として興味を持っていなかったので、自分の不明を恥じたい気分。
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2010/01/11(月)
最近行った美術展 [ art , diary ]
年が明けてからだらだらしてしまって書き損ねているが、いくつか美術展に行った。この間エントリを書いた川喜多半泥子展は昨年最後に見た展覧会。新年早々2日に出かけたのが東京都現代美術館の「レベッカ・ホルン展」「ラグジュアリー:ファッションの欲望」「Swedish Fashion」。レベッカ・ホルンのダンスの映像作品がツボ。ギャルソンも。常設の「具体」特集に白髪一雄が1枚あって、やっぱり良かった。3日は東博の本館常設。暮れに見ていたので「博物館に初もうで」コーナーを中心に。虎をあしらった工芸品に目が行った。
三井記念美術館の「柴田是真」展を再訪した。素晴らしい。ブリヂストン美術館の「安井曾太郎の肖像画」もなかなか。やはりひとりの作家の作品を、まとめて見るのは大切なことだと思った。ここでも白髪発見。混んでいるのでついつい行きそびれてた東博の「土偶展」にも行った。土偶かわゆい。
この連休は、まず国立新美術館の「DOMANI・明日展2009」へ。高野浩子さんの作品に出会えたのが収穫だった。大倉集古館で「能面・能装束展」を見てまだまだお正月気分。根来展の図録はまだできていないそうですね。泉屋博古館分館の「春の妝い」展も、ちょっと珍しい感じの虎図などあって、おめでたい感じで楽しめた。
なかなかいい感じです。写真は今日食べたランチ。デジカメを新しくしたので、積極的に撮るようにしている。
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2010/01/10(日)
レニングラード国立バレエ「バヤデルカ」1/6 [ ballet&dance&play... ]
オーチャードホールでレニングラード国立バレエの公演「バヤデルカ」を観てきた。
芸術監督に専念し、「古典はもう、踊らないだろう」と語っていたルジマトフが沈黙を破り、日本のファンのために特別に踊る!!!
ニキヤ(バヤデルカ) :イリーナ・ペレン
ソロル(戦士) :ファルフ・ルジマトフ
ガムザッティ(藩主の娘) :オクサーナ・シェスタコワ
大僧正:ニキータ・ドルグーシン
ドゥグマンタ (インドの藩主) :アレクセイ・マラーホフ
※詳しい配役
私はマールイ芸監以前のルジマトフを知らないし映像を見たこともなくて、「ルジマトフのすべて2008」公演で密かに「押し出しはいいんだけどあまり動かないおっさん」と位置付けていた。いやすごいダンサーとは聞いているけど、すでに46歳、こんなものでしょうと。すみません〜。完全に見誤っていました。彼は並のダンサーではなかったです。ラ・バヤデールを生で見たことなかった故に楽しみにしていた公演だったけど、フタを開けたら想像以上にゴージャスな内容で、大変に満足。
悲恋ものは好きでないので手持ちのDVDを通して見たことはなかったけど、バヤデルカのあらすじはバレエブログによく出てくるので知っていた。要はお嬢様ガムザッティが戦士ソロルに横恋慕して舞姫ニキヤを陥れる、という陰険な三角関係の物語(もひとりいるけど、彼については後ほど)。美しいヒロインが毒殺されるなんて、後味悪そうですよね。ね。それが何と・・・。配役により、感情移入のベクトルがガムザッティに向いてしまった。元々シェスタコワファンなので、仕方ないのかもしれないけど。
ペレンはガラで見たことあったけど、惹かれなかったダンサー。美人は好きなんですけどね。スレンダーで踊りが正確で、腕のしなり方なんかにエキゾチックな味付けをしてきてた。でも、やっぱり見てて退屈。清純・可憐・神性といったニキヤに私が求めるイメージを体現してくれてないのだ。ガムザッティとの対決シーンではあまり傷ついたふうに見えなかったし、同情されにくいキャラなのではないか。音の取り方も悪くないのだけど、大技になると役を忘れて動きがアクロバティックになる感じがした。
一方のシェスタコワ様は、とにかく可愛らしい〜。1幕のヘソ出しコスチュームでは衣装係さんが調整を誤ったようでおなかが少々たるんでいたけど(3幕の赤の婚礼衣装はぴったりだった。ウェストもすっきり。)、縦巻きロールの似合う品のよいお姫様として登場。とにかく彼女は一挙手一投足が優美で、目を楽しませてくれる。PDDもペレンとルジマトフより、シェスタコワとルジマトフの方が華やかに感じる。ソロルに対する愛情を素直に表現し、愛しているのだからニキヤに迫るのも当然、と思わせる演技力。ニキヤに別れないわよと言われて傷ついた表情、手を差しのべたくなったわ。まあ舞台の端から端までのピルエットとかの力技はペレンの方が得意そうだからこのキャスティングに文句はないけど、やはりマールイのトップはシェスタコワなのだと思う。
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2010/01/07(木)
画帖を買いました [ diary , kohei_nawa ]
いえもったいなくて、描けません・・・
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2010/01/05(火)
川喜多半泥子のすべて [ art ]
松屋銀座8F催事場で開催中の「川喜多半泥子のすべて」展に行った(1/18マデ)。
半泥子の名は「名匠と名品の陶芸史」(黒田草臣氏著)という本で知った。荒川豊蔵から魯山人まで、明治〜大正〜昭和の近代陶芸の巨匠が13人紹介されている。貧しい中苦労して窯を築き奥さんが着物を質に入れて薪を手に入れ命がけで作陶・・・というストイックな生活を送った人が多く、陶工は修行者みたいなものだなあと思ったものだが、半泥子は毛色が違う。蔵に古陶がザクザクしているような大金持ちの家に生まれ実業家として銀行頭取など勤め、50歳過ぎてから本格的に作陶を開始。禅や茶の湯、古今の文芸に精通する「昭和の光悦」。光悦って、、、すごい誉め言葉だ。
半泥子はきっちりとした形状や、古陶の模倣は好まなかったそうだ。轆轤の名人ながら急所以外ではわざと気を抜いて、なんて言うかゆるく形を仕上げる。高台はなるべく削らない方が良いとか、土は単味がよいとか、自然体へのこだわりがある。ヒビ割れたら口縁に藁を巻いて焼いてみたり漆を流し込んで興を添えたり。自由人だ。よいものを知っていて、崩すことを知っている。造るものの種類も多彩で絵付けや染付け、磁器まで焼く。
焼きもの素人女子として気が惹かれるのはこういう色の綺麗なモノ。窯変によって現れたピンクと白。胴にあるのは指痕だそうだ。
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2010/01/04(月)
1月の舞台鑑賞予定 [ ballet&dance&play... ]
本日仕事初め。朝定時に家を出たら真っ暗で、風が冷たくて「無理・・・」と思いながらうだうだと出勤。でもま仕事はヒマだし休息は足りてるし、なんてことはなく1日は終わった。今年の目標。舞台は厳選。ブログの更新頻度を減らして読書や映像鑑賞に時間を費やす。好きなことを「濃く」楽しみたい。
・1/3(日)レニングラード国立バレエ「白鳥の湖」@東京国際フォーラム(済)
・1/6(水)レニングラード国立バレエ「バヤデルカ」@オーチャードホール
ルジマトフが踊る最後の全幕「バヤデルカ」。てことで。
・1/22(金)珍しいキノコ舞踊団「私が踊るとき」@世田谷パブリックシアター
1度は見てみたいと熱く思っていた珍しいキノコ。合うかなあ。
・1/24(日)ブベニチェクとドレスデン国立歌劇場バレエ団の俊英たち@さいたま芸術劇場
ハンブルク・バレエと関わりの深いブベニチェク兄弟に期待♪
セミナーに行くので17日の東バ「ラ・シル」(サラ)とレニ国「眠り」(シェスタコワ)はチケット手放すことに。ってこのふたつすでにダブルブッキングでしたが。本当は新国立ザハロワ様の「白鳥」が本命だった(まだ未練・・・)。































